北朝鮮が11月29日午前3時すぎ(米東部時間28日午後1時すぎ)、日本海に向けて弾道ミサイルを発射した。
高度は4500キロに達し、ミサイル性能がさらに高まったことを示した。

トランプ大統領に近い米共和党の上院議員からは同28日、
「もし状況が変わらなければ、われわれは戦争へと向かうことになる」という強い言葉も出始めた。

米国は、中国を仲介者にした対話路線に依然として望みをつないでいるものの、
「北朝鮮が、米本土を狙える核ICBM(大陸間弾道ミサイル)を実戦配備する前に、軍事力を行使すべきだ」という強硬論が目立ち始めている。

多くを語らなかったトランプ大統領に代わって、その言葉を解説したのは、トランプ氏に近い米議会のリンゼイ・グラハム上院議員(共和党)だった。

米国時間の同28日夕、米CNNテレビに出演したグラハム上院議員は、ミサイル発射前の同28日朝にトランプ氏と話をしたと明かしたうえで、
ミサイル発射後にトランプ氏が「われわれはそれに対処する」と語った意味について、国連でも中国でもなくわれわれ(米国)が対処する、という決意を示している、と解説した。
そして、「大統領は、北朝鮮が米国を攻撃できる核兵器を手にすることを許さないだろう」と述べ、「もし状況が変わらなければ、われわれは戦争へと向かうことになる」と警告した。

北朝鮮が、米本土を狙える核ICBM開発の最終段階に入ったとみられるなかで、外交努力に割ける時間はどの程度あるのか。
米政権に近い関係者は今月、私に、北朝鮮が米本土を狙える核ICBMを実戦配備させるまで、「残り6カ月余りしかない」という米情報当局内の見方を明かした。

米国内には、北朝鮮がそうした能力を獲得する前に、「対話を通じて北朝鮮に核ミサイル開発をまずは凍結させる」か、
「対話路線が実らなければ軍事攻撃に踏み切るべきだ」との見方が少なくない。

グラハム上院議員の同28日の発言も、こうした米国内の強硬論を反映したものといえる。

外交努力をおこなえる時間が次第に短くなってくるなかで、トランプ政権は、中国を仲介者にして、北朝鮮と直接対話する試みを続けている。
11月上旬の米中首脳会談で、トランプ大統領が習近平国家主席に要求したのは、北朝鮮を対話のテーブルに引き出す、ということだったという。
実際、米中首脳会談後、習主席は11月17日〜20日まで北朝鮮に特使を送ったものの、結局、特使は金正恩氏には面会できずに終わった。

グラハム上院議員は11月28日のCNNテレビで、中国がいまのところ米国に協力しているとしてその役割に期待感を示した一方、強い調子でこんな要求もおこなった。
「われわれは、北朝鮮の狂った男に、米本土を狙える能力を持たせることは許さない。中国の友人に言いたい。
われわれはこんな状況を我慢することはしない。あなたがたは私たちを助ける必要がある。もしあなたがたがわれわれを助けてくれないのなら、われわれでそれに対処する。
われわれで対処するという意味は、あなたたちの裏庭で戦争をするという意味だ。われわれの裏庭ではなく、だ」

トランプ氏が11月28日に使った「われわれはそれに対処する」との言い回しをそのまま使った、中国への警告だった。

仮に軍事衝突に至った場合に地域にどれだけの被害が出るのだろうか。
今年10月初めに米ジョンズ・ホプキンス大の米韓研究所が運営するサイト「38ノース」が出した軍事衝突が起こったときの被害想定は、
通常の核ミサイルがソウルや東京に落ちた場合、それぞれの死者は「ソウルで最大約116万人」「東京で最大約95万人」。
北朝鮮が9月に実験したような水爆が落ちる場合の死者は、「ソウルで最大約203万人」「東京で最大約180万人」に達する、という実に恐ろしい内容だった。

米国内ではこうした被害想定が出ているだけに、グラハム上院議員に対して、CNNのアンカーは、もし戦争になれば、
韓国や日本などの北東アジア地域で100万人規模の犠牲が出かねないと質していた。

これに対し、グラハム氏は、北東アジア地域と米国のどちらかを選ばなければならなければ、
「トランプ大統領は、(北東アジア)地域よりも、米国を選ぶ」との見方を示した。
http://toyokeizai.net/articles/-/199370?page=2

【核戦争】 ペリー元国防長官 「韓国の被害は朝鮮戦争の10倍、日本の被害は第2次世界大戦での犠牲者数に匹敵する」
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1512017832/