新聞の折り込み広告で宣伝された神奈川県の美容医療クリニックで「若返り」をうたう注射を勧められ、数百万円を支払ったのに施術を受けられなかった、などとして80代の女性ら2人が29日、クリニックを開設した医師らに計約1千万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。
 提訴した80代の女性は昨年9月、神奈川県の「茅ケ崎美容形成クリニック」で受診。肌のたるみを引き上げるとしてコラーゲン成分のリフトアップ注射を勧められ代金として約260万円を支払った。「半年後に電話を」と言われて今年2月に連絡したところ、不通になっていたという。「ぼうぜん自失になり、涙が止まらなかった」と話した。ほかに60代の女性は別のクリニックで目のたるみを取る手術を受け、計約130万円を支払ったが、効果がなかったという。
 弁護団によると、提訴された2カ所はすでに廃院となったが、振込口座の名義人が共通していた。同じ振込口座を使うクリニックが関東圏に8カ所あり、これらに通う中高年女性から同様の相談が寄せられているという。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171130-00000057-asahi-soci