0001孤高の旅人 ★
2017/12/06(水) 08:26:10.65ID:CAP_USER912/6(水) 7:55配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171206-00000063-san-asia
国民の敬愛を集めたプミポン前国王が昨年10月に死去したタイで、政治の漂流が続いている。前国王の葬儀は今年10月に終わり、服喪期間は終わった。軍事政権は「民政移管」への総選挙を来年11月に実施するとして準備を進めているが、政治混乱の調停役だった前国王を失った中で、タクシン元首相支持派と反対派による政治対立は未解決のままだ。(バンコク 吉村英輝)
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前国王の誕生日で「父の日」の祝日の5日、首都バンコクの王宮前広場は、大勢の家族連れで混雑した。10月26日に火葬式などが行われた同広場の施設は、参列者が予想を上回り、11月2日〜同月末までだった公開期間は12月末までに延長された。
中部アントン県から来たチャイヨンさん(88)は「息子に連れてきてもらった。前国王と同時代を生きることができて幸せだった」と語った。前国王の絶大な人気は今も続く。
タイでは第二次大戦後、王室を権威に「開発独裁」を正当化する政権が続き、制限付きの「民主主義」の下で、前国王が地方行脚や貧困層救済に尽力し、国民の結束を高めてきた。
地方農民や貧困層を中心にしたタクシン派と、官僚や財界などの既得権益層の反対派が衝突する中で、前国王は重しの役目を果たしていた。軍は2014年5月のクーデターで実権を掌握したが、神格化された前国王を失い国民が喪失感を抱く中で、政治混乱の再燃をいかに押さえ込むか手探りを続けている。
今年4月に交付された新憲法は、民政復帰後の5年間を移行期間とし、上院の公選制を廃止し軍の任命制にする。下院もタクシン派復権を警戒し、大政党が単独過半数を獲得するのが困難な選挙制度とした。
軍主導の暫定政権は先月、内閣改造を実施し、国営石油元社長を入閣させるなど経済政策をテコ入れ。日系企業からは「軍政が長期化しても問題はない。むしろ安定が期待できる」との声も漏れる。
プラユット暫定首相は先月8日、軍の政治関与の是非などについて、国営放送を通じ国民に問い掛けた。本人が正式首相に就任する「軍人政党」設立の動きともとれる。
クーデター後から政治活動の禁止が続いているが、解除時期は「未定」のまま。タクシン氏に続き、妹のインラック前首相まで国外逃亡に追い込まれたタクシン派は、十分な選挙準備期間が確保できないと反発を強めており、不満が噴出する事態も予想される。