日本経済新聞 2017/12/6 23:28
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2435192006122017AC8Z00/

 大阪市発注の下水道工事で複数の業者が契約と異なる安価な材料を使ったとされる問題で、大阪市は6日、2015〜16年度に施工された工事のうち少なくとも14件で業者が契約違反を認めたと明らかにした。安い資材を使うことで不正に得た利益は約1億4500万円に上る可能性があるという。

 同日の市議会建設消防委員会で市側が明らかにした。吉村洋文市長は「事実の解明と責任の所在を明らかにする。刑事手続きや民事での賠償請求も検討する」と述べた。

 問題となったのは、老朽化した下水道管を交換して埋め戻す工事。市は12年度からリサイクル促進を目的に、下水汚泥を高熱処理したスラグを混ぜた「下水汚泥溶融スラグ混合改良土」を材料として使用することを契約条件としている。

 市によると、不正使用の疑いがある工事15件の抽出調査で、業者側は14件についてスラグ混合土とは異なる資材を使ったと認めた。16年度までの5年間で業者側が市に報告したスラグの使用量は、混合土メーカーが実際に業者に販売した量の3分の1だった。