NHKの上田会長は、7日の定例の記者会見で、NHKグループの業務に携わるすべての人の働き方を抜本的に見直すとした「働き方改革宣言」を発表しました。
この中で、NHKの上田会長は「4年前に、東京の首都圏放送センターに勤務していた佐戸未和記者を失ったことは、悔やんでも悔やみきれないことだ。これを決して忘れることなく、私を先頭に全員が一丸となって、働き方改革をさらに加速させたい」と述べました。

そのうえで、NHKグループの業務に携わるすべての人の健康を最優先に考え、働き方を抜本的に見直すとした「NHKグループ働き方改革宣言」を発表しました。

そして会長をトップにした「働き方改革推進委員会」を設置し、検討が必要な課題を共有して、解決を図っていくとしています。

具体的な取り組みとしては ▽来年度からNHK本体が制作する番組のスタジオ収録を原則、午後10時での終了を目指す ▽拠点となる放送局を除いた地域放送局での記者の泊まり勤務を、緊急対応の整備を進めながら段階的に廃止することを目指す、などとしています。

NHKはこうした取り組みについて、それぞれの部署で速やかに検討を始め、順次、実施していくことにしています。
佐戸記者の両親のコメント(全文)
1 社内で過労死を発生させたことについて深い反省がなければ、どんな働き方改革も取り組みも浸透しません。
 私たちは、未和が働き方改革の人柱となったと思い、過労死の再発防止と改革の推進を注視していきます。

2 社員のいのちと健康を守るために、睡眠時間や休日の確保を含めて労働時間をどうきちんと管理していくか、労働時間をどう正確に把握していくか、これらによって長時間労働にどう歯止めをかけていくのか。
 未和の過労死の反省を踏まえて、これらのことを具体的に改革の中で推進していくことを強く求めます。

2017年12月7日
佐戸 守
恵美子


NHK 2017/12月7日 20時42分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171207/k10011250101000.html