大企業で働き、東京などの大都市圏に住む30〜50代の正社員に地方への移住について尋ねたところ、4割超が現在の勤務先から支援が得られれば「移住したい、または検討したい」と回答したことが7日、大正大地域構想研究所の調査で分かった。移住に少しでも関心がある人は半数近くいた。

 同研究所が9月、インターネットで、東京、愛知、大阪に住み、従業員300人以上の企業に勤務する30〜50代の正社員にアンケート。三大都市圏以外への移住に関して尋ね、1055人(男性870人、女性185人)から回答を得た。

 移住に「関心がある」は17.3%、「少し関心がある」は23.5%で合わせて4割を超えた。「既に具体的に検討している」も6.2%いた。

 現在勤務する企業から、転職や起業、勤め続けながら地方で生活するための支援が得られたとすると「移住したい、または検討したい」との回答は43.9%に上った。30代は5割超となり、若い世代ほど前向きだった。

 具体的な支援内容は「希望する地方転勤の承諾」「リモートワーク制度(在宅勤務など)の確立・充実」「転職先のあっせん」「起業資金の補助」が多かった。

 移住を望む理由は「豊かな自然」「老後の移住視野」「安価な生活費」など。移住先として重視する条件は「首都圏と簡単に行き来できる」がトップで「買い物など日常生活が便利」「生活コストが安い」が続いた。

 大正大地域構想研究所の塚崎裕子教授は「若い世代の地方移住は、政府の取り組む働き方改革やワークライフバランスにつながる。企業が応えられるよう政府は積極的に支援すべきだ」と話した。〔共同〕

日本経済新聞 2017/12/7 9:52
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2435807007122017CR0000/