●火砕流はなんで海を渡るの。火砕流はなんで海を渡るの。火砕流はなんで海を渡るの。

→ 火砕流が海に達した場合、火砕流の密度によって異なった現象が起こります。

密度が海水よりも大きな火砕流はそのまま海中に流れ込んでしまいます 。
しかし、密度が海水より小さな火砕流は海面の上を走り続けるということが起こります。

雲仙普賢岳が噴火したときに見られたブロック・アンド・アッシュフロー(blockand ashflow)と
呼ばれるような火砕流が海に達した場合にはそのまま海中に流入してしまいますが、
カルデラを造るときに発生するような大規模な火砕流は海面上を走り続けると考えられます。

海面上を走る火砕流は、地表との摩擦がないことに加え、
海面から供給される水蒸気によって流動化が保持されるので
陸上を流走するよりも遠くまで到達します。

たとえば、阿蘇火山から約9万年前噴出した阿蘇(Aso-3)火砕流は
瀬戸内海をこえて山口県でも見つかっています。

なお、火砕流が海中に流入すると、そこで水蒸気爆発が起こることがあります。
そ のような例はニュージーランドや1929年の北海道駒ヶ岳の噴火で知られています。