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強盗目的で一晩のうちに一家4人を惨殺し、遺された少女を血の海の中で強姦するという凶行に及んだSだが、
少年犯罪なら少年法により処罰は軽くなると考えており、
逮捕当時は「これで俺も少年院行きか」「未成年ならどんな凶悪犯罪を犯しても少年鑑別所に送られて、
そこから少年院に入れられるだけだろう」程度にしか考えておらず[書籍 29][書籍 78]、その上「死刑なんてものは自分とはおよそ縁遠いもの。
一度殺人を犯しておきながら、刑期を終えてから、あるいは仮釈放中に再犯するような者ぐらいしか死刑にならない[注釈 7]。
だから自分には関係ない、違う世界のもの」だと確信していた[書籍 78]。

その理由の一つには〈1989年1月にSの住んでいた東京都葛飾区青戸の近隣、足立区綾瀬で発生した〉
「女子高生コンクリート詰め殺人事件の犯人の少年たちでさえ、あれだけのことをやっておきながら死刑どころか無期懲役にすらなっていない[注釈 8]。

それなら俺の方が犯行は長期間ではないし、犯行にあたって凶器一つ用意していないからまだ頭の中身もまともだ」という不遜な考えもあった
[書籍 78]。

そのためSは逮捕後、出所後の生活設計のために母親に教科書や参考書、辞書類を差し入れさせ、勉学に励んでいた[書籍 29][書籍 78]