>>845
1995.06.01
○猫が好き♪
news://pub.jca.ax.apc.org/801989460.4685@nifty.fenv.mes51.nifty.ne.jp

この「科学的な根拠がない」という主張については、既に何度もFENVでも述
られていることだけれども、次のように反論できる。また、これはおおむね、
反捕鯨国側の主張とも一致するはず。

 捕鯨問題を含む野性生物の利用は、自然科学的な側面からのみ判断でき
るわけではなく、密猟・密輸といった社会的(あるいは社会科学的)要素
も含めて判断しなければならないことである。
 科学委員会は、数多くのファクターのうち「自然科学的な要素」だけを
扱う専門委員会であり、科学委員会が要求しなかった保護政策を導入する
ことも、当然取りうる選択肢にはいっている。また、科学委員会の「自然
科学的判断」と総会の「自然科学的・社会科学的な判断」が食い違うこと
があったとしても、それは「総会が非科学的」なのではなく、それぞれの
守備範囲が異なると考えるべきである。

 日本側は、科学委員会が南極海サンクチュアリを必要とすると主張しなかっ
た点について、にもかかわらず総会が南極海サンクチュアリを可決したことを
理由に「非科学的」だとするキャンペーンを張ろうとしているようだが、しか
しながらそれはいつもの「日本は(自然)科学的」という主張の延長線上にあ
るものにすぎない。
 そこには、自然科学以外の要素、つまり社会的要素を取り入れるという視点
が欠如しているが、これは日本の姿勢に常に存在している問題点であると言え
る。
 また、あえて「社会的要素」に目をつぶり、問題がもっぱら「自然科学的な
もの」であるかのようにアピールするという手法は、日本国内にもかなりの誤
解を振りまいている。ええ迷惑である。

 さて、この日本側の蒸し返しに対して、合衆国などは「すでに議論が尽され
た問題であり、改めて議論をする必要はない」として、議論にはいるのを拒否
しようとした。しかし、イギリス・フランスなどが「うちらが相手をするから」
と言ってなだめたとのことで、追って議論の場を設けるということに。