世界自然保護基金(WWF)などの支援で設立された非営利団体の水産養殖管理協議会(ASC)による「ASC認証」で、ブリ養殖では世界で初めて。ASC認証を得たブリは来年にも出荷する予定で、環境意識の高い欧州への輸出拡大を目指す。
同社は2004年に設立された。串間市や延岡市などでブリを養殖しており、年間約150万匹(うち約8万匹は輸出)を出荷している。欧州への輸出に有利なほか、天然物が好まれる国内で養殖の地位を上げることにもつながるとみて、認証取得を進めた。
ASC認証の条件は▽生態系や生物多様性への配慮▽外来種の生態系への悪影響に対する対策▽持続的に利用できる原料で作られた飼料の使用――など。
同社は、養殖ブリの飼料について、絶滅が危惧されるマグロや乱獲されたカタクチイワシなどを含まない魚粉を原料に使用。また、ASCで認められた薬剤だけを用いている。認証は16日付で取得した。
認証取得を機に出荷量を増やす計画で、23年までに200万匹(うち40万匹は輸出)に引き上げる。
山瀬茂継社長(55)は「環境に配慮した責任ある水産物であることを生かし、輸出拡大につなげたい。国内でも認証を広めて消費拡大を目指す」と話した。
2017年12月23日 11時10分
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