こんなの出てますけど

【日刊ゲンダイ】朝日新聞・高橋純子氏 「安倍政権の気持ち悪さ伝えたい」[12/25]
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/seijinewsplus/1514201461/

2017年12月25日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/220001

新聞記者は、ウラを取って書けと言われるが、時に〈エビデンス? ねーよそんなもん〉と開き直る。
政治部次長だった時に書いた朝日新聞のコラム「政治断簡」をまとめた著書「仕方ない帝国」(河出書房新社)が評判だ。
キチッとした優等生の文章が当然の朝日において、時に〈『レッテル貼りだ』なんてレッテル貼りにひるむ必要はない。
堂々と貼りにいきましょう〉とあおり、〈安倍政権は「こわい」〉と言い切る。テンポ良く、小気味いいが、もちろん、炎上も数多い。
そんな名物コラムはなぜ、生まれたのか? 朝日新聞論説委員の高橋純子氏に聞いた。

■番記者慣例、森元首相への誕生日プレゼントを拒否

  ――毒づくような高橋さんのコラムは始まった当初から話題でした。中でも炎上したのが、
「だまってトイレをつまらせろ」というタイトル。紙がないことを訴えても聞く耳を持たないのであれば詰まらせろと。
強烈な安倍政治批判でした。あれが本のタイトルでもよかったのではないですか。

(中略 ソースにて)

■人間の醜い感情を利用した「分断化」社会

  ――コラムがああいう表現になったのには、安倍1強政権だからこそのニーズや必然性があるようにも思います。
言葉のすり替え、ごまかしが当たり前の安倍政権をバカ正直に論じてもはぐらかされてしまうというか。

 その通りです。安倍政権の振る舞いや政策を正面から論じても読者はピンとこない。政府もヘッチャラです。
なぜなら、向こうは百も承知で「人づくり革命」「1億総活躍」をはじめとする、欺瞞的で、人間を道具扱いするかのごとき
キャッチフレーズを次々と繰り出してはばからないからです。欺瞞を正面から論破するのは難しい。だから「なんか嫌だ」
「どっか気持ち悪い」などといった自分のモヤモヤした感情をなんとか言葉にして読者に伝えないと、
権力に対峙したことにならないんじゃないかと思うんです。

  ――筆を走らせ過ぎると、“新聞の中立性”に目くじらを立てる人もいそうです。

中立って、真ん中に立つことでも、両論併記でもないはずで、各人が「正しい」と思うことを発信し、
議論したりせめぎ合ったりする中でかたちづくられるものではないでしょうか。なので、記事を読んだうえで目くじらを
立ててくださるのであれば、うれしくはないけどありがたいですね。

  ――一方で安倍政権を手放しで応援する人も存在します。

 差別や憎悪、妬みといった、人間の醜い感情を巧みに利用した「分断統治」が行われている印象を持ちます。社会が分断化されてしまっているのです。
もちろん、首相自身が差別的な言葉を口にすることはありませんよ。でも、いつからか、「反日」「国賊」といった、
国によりかかって異質な他者を排除するような言葉が世にあふれかえるようになりました。権力を持っている人たちの振る舞いが暗にそうした空気を
社会につくり上げ、メディアの批判も届きにくい状況があるように思います。

(中略 ソースにて)

安倍政権は「1億総活躍社会」のことを「包摂」と説明しています。しかし、私が取材した政治学者は、1億総活躍について「あれは包摂ではなく動員だ」と指摘していました。
包摂とは、社会的に弱い立場にある人々を一定の範囲に包み込むこと。動員とは意味が全然違います。キチンと腑分けして見極めなければならないというのが、当座の私の結論です。

  ――1億総活躍と大衆動員する先に何があるのか。

 本のタイトルを「仕方ない帝国」としたのは、今の日本の“長い物には巻かれろ”という風潮に「本当にそれでいいの?」と問いかけたかったこともあります。
動員されている人も、最初からモロ手を挙げて安倍政権を歓迎していたわけではないはずです。旧民主党政権が誕生した時は、「社会が変わるんじゃないか」と
希望をもった人も多かったと思います。しかし、期待した民主党はダメだった。その後の東日本大震災から脱原発への動きも頓挫した。絶望と諦めが日本人の根底にはあると思います。
でも、このまま「仕方ない」が続いていけば、結局、日本は何も変わらない。多くの人が自分の無力感を肯定しながら生きていくしかないんじゃないかなという気がします。

(以降ソースにて)