民進党の蓮舫元代表(50)と無所属の山尾志桜里衆院議員(43)の立憲民主党への入党が有力との見方がある中、立憲民主党内に難色を示す声がくすぶっている。

 蓮舫氏については、現在希望の党所属の前原誠司前民進党代表(55)と立憲民主党の枝野幸男代表(53)による9月の民進党代表選で「前原氏に投票した」との情報が駆けめぐった。山尾氏に関しては前原氏が代表選に選出された際に幹事長に指名した人物で、2人には前原氏の影がちらついているのだ。

 「民進党がどこに歩んでいくのか見えない。枝野氏に会い、どういう政党なのか、直接話を聞きたい」

 蓮舫氏が記者団にそう語ったのは14日の民進党の両院議員懇談会後だった。「民進党を維持するにせよ、(党名変更で)看板を掛け替えるにせよ、新党にするにせよ、肝となる政策を掲げるべきだが、大塚耕平代表や執行部から何の説明もない」とも語り、公然と執行部批判を展開した。

 蓮舫氏は現在、立憲民主党の菅直人最高顧問(71)が首相だったときに行政刷新相を務めており、立憲民主党に近い関係にあると感じている可能性は高い。翌15日、枝野氏は「立憲民主党として今回立てた旗をお聞きになりたいのではないか。ご賛同いただければありがたい」と秋波を送った。

 ただ、ある立憲民主党幹部は「9月の民進党代表選で蓮舫氏は前原氏に投票したらしい。本当にそうなら立憲民主党に入党するのは考えざるを得ない」と顔をしかめる。枝野氏が首を縦に振っても、一筋縄にはいきそうにない。

 一方の山尾氏。彼女は前原氏による幹事長就任をいったんは受け入れている。そのタイミングで不倫疑惑が報じられたため就任を辞退したが、不倫疑惑が報じられなければ、就任していた可能性は極めて高い。

 13日には文化放送「The News Masters TOKYO」に生出演し、パーソナリティーから「どの党に入るのか」と問われると、「立憲民主党が憲法についての当面の考え方を社会に提示した。護憲と改憲みたいな今までの2項対立みたいなものとは別のレベルで立憲的な議論をしていく、ということが書き込まれた。これは私の考え方と全く同じ方向だ」と語った。

 実際、山尾氏は衆院の立憲民主党会派に所属しており、入党は時間の問題といえる。

 ただ、立憲民主党内には「保守かリベラルか政策的な立ち位置が分からない」との声もあり、そのことも党内が山尾氏の入党に慎重になる根拠となっている。

 事実、月刊誌「中央公論」8月号に掲載されている座談会で、山尾氏は当時所属していた民進党について「『保守』コンプレックスから脱却したほうがいい」と言いながら、天皇陛下の皇位継承問題について「口先ばかりで『保守』を名乗る自民党よりも、よほど『保守』たる役割を果たしたし、これからも果たしていく」と語っている。

 立憲民主党は政策パンフレットの中で「右でも左でもなく、前へ」と明記し、先の衆院選でも似たようなことを訴えていた枝野氏だが、意味不明の印象は拭えない。

 とはいえ、菅氏をはじめ旧民主党で「リベラルの会」を立ち上げた近藤昭一副代表(59)、かつて社民党に所属した辻元清美国対委員長(57)と横光克彦代議士会長(74)ら立憲民主党の所属議員の面々を見ると左派色が強いのは明らかだ。

 その言動から山尾氏こそ「保守」コンプレックスがあるのではないかと疑ってしまう。思想・信条に関し、どこに軸足を置いているのか不明瞭としか言いようがない。

 民進党関係者によると、そもそも前原氏は代表に選出されたその日に周囲に対し「民進党で選挙するつもりはない」と漏らしている。そのことを代表選で明言していない中で、希望の党への「衆院選候補者移籍構想」を打ち明けられた関係者は「どういうことですか」と目を丸くしたという。「だまし討ち」と非難されても致し方なかろう。

 しかも、希望者全員を公認することを目指しているにもかかわらず、希望の党代表だった小池百合子東京都知事(65)は左派らに対し「排除」発言をする始末。前原氏は枝野氏に「無所属で出るなら対抗馬は立てない」と語ったとされ、無所属での出馬を許容したという。もはや統治能力のかけらもうかがえない。

 >>2以降に続く

配信2017年12月26日 1時6分
ライブドアニュース(産経)
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