どんな数字であれ、生半可なことではトップを独走できない。
青森県にもそれは当てはまる。
健康意識が高まるなか、よほど不健康や不摂生を貫かなければ、平均寿命の全国最下位を独走することなどできっこない。
そして彼らの不摂生は、偉大な反面教師である。

(略)

厚生労働省は今月13日、15年の都道府県別「生命表」を発表したが、それによると青森県の平均寿命は記録的だった。
1位は男性が滋賀県の81・78歳、女性が長野県の87・67歳だったのに対し、青森県は78・67歳と85・93歳。
ともに全国で最下位であるばかりか、男性は9回、女性は4回連続で、最下位街道を驀進中なのだ。

しかも、調査が行われるのは5年に1度。
青森県の男性は40年以上、女性も20年にわたり、底に沈みっ放しということだ。

ラーメンにも醤油

青森県民はラーメン好きで、朝から食べる。スープはえらくしょっぱい――。

そう聞いて、まず青森駅前のラーメン屋を訪ねたが、聞きしに勝っていた。
朝7時の開店前から行列ができており、開店後、10分ほどでほぼ満席に。
隣りに座った男性客に聞くと、

「市場で買い付けを終えてから週2回は朝ラーメンに来るね。スープはほとんど飲み干すよ。普段から塩っ辛いのが好きで、朝はすじこや漬物とご飯。昔は塩じゃけにもドバドバ醤油をかけていたよ。しょっぱくないと美味くないじゃん」

客の中には高校生も複数いたが、みな「毎週のようにくる」という。店主は、

「青森駅前店は観光客も来るので、少し薄味にしてる。他県でラーメンを食べると、薄いなあと感じます」

と語るが、煮干しの風味が強く、塩気がかなりきつい。
客はほぼ例外なく、無料のライスを食べていたが、たしかにこのラーメンはおかずだ。
ご飯で中和させないと食べ進められない。
水を1リットルは飲みながら、周囲に倣ってスープまで飲み干すと、口内がヒリヒリする。
ところが、カウンターに置かれたタレで味をさらに濃くしている人もいるのだ。

「酒、タバコ、塩っ辛いものはやめない。この間、同級生が脳卒中になったけど、青森の人は、早死にしてもいいや、と思っている」

青森駅近くの酒屋の店主(41)も、そう語る。

「売れるのは『大五郎』とか甲類焼酎。漁師なんか仕事終わりから夕方まで飲むので、安くてたくさん入ったのが売れる。食事だと漬物、焼き魚、すじこに醤油をかけるのは普通だね。自分はラーメンにも真っ黒になるまで醤油をかける」

さり気なく語られるにしては衝撃的すぎる食生活は、どんな結果を導くか。
ふたたび、いろいろな統計から数字を引っ張ってみたい。

カップ麺の消費量は全国2位、インスタントラーメン全体では1位、缶コーヒーも1位。
食塩摂取量は男性が2位で女性は5位。
全国模試なら立派な結果だが、1日の歩数は男性が全国46位で女性は41位……。

要は、塩分と糖分はたんまり摂って運動しないのだ。
全国9位という肥満者の割合も、それを裏づける。
喫煙率は全国2位、飲酒習慣者の割合は1位である。
(続く)

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