http://www.sankei.com/world/news/180103/wor1801030055-n1.html

 【台北=田中靖人】台湾の司法当局が昨年12月、中国との統一を主張する政党「新党」幹部を一時拘束したスパイ事件で、台北地方法院検察署(地検)は3日までに、この幹部らが中国当局から20万ドル(約2200万円)を受け取っていたとする捜査結果を公表した。スパイ事件の詳細な内容発表は異例。これまで疑われてきた統一派団体への中国の介入が表面化した。

 地検の2日の発表によると、「国家安全法」違反で昨年9月に1審有罪判決が出ている中国人の元留学生=控訴中=のパソコンから、スパイ網構築の計画書や報告書が発見された。その中には、新党幹部が設立した評論サイトの運営経費として、中国の国務院(政府)台湾事務弁公室から2015年末までに20万ドルが支出され、その後3年間、毎年1500万〜1600万台湾元(約5700万〜6千万円)の支援が約束されたと記されているという。また、幹部らは工作対象として台湾の軍人計6人分の資料を元留学生に手渡していた。

 地検は、元留学生の追加捜査だとして幹部らを起訴していない。台湾メディアによると、中国の台湾事務弁公室の報道官は「根拠のない話だ」と否定している。