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 道内初の特急用ディーゼル車として旧国鉄が開発した「キハ183系」の初期型の先頭車両を保存しようと、道内の鉄道愛好家らでつくる「北海道鉄道観光資源研究会」(永山茂代表)が資金集めを始めた。必要額が集まれば、ベージュ地に赤を配した旧国鉄の「特急色」に塗り直し、2019年4月にもオープンする胆振管内安平町内の道の駅に展示する。

 キハ183系の初期型は1981年から道内で特急列車の花形として、札幌と釧路を結ぶ「おおぞら」などに使用された。現在、定期運行はなく、石北線を走る「オホーツク」の代替車両などに使われている。キハ183系の後期型車両を使う「北斗」(札幌―函館間)が今年3月のダイヤ改正で違う型式の「スーパー北斗」にすべて切り替われば、後期型が「オホーツク」の代替車両などに回され、現存する5両の初期型は順次解体される見通しだ。

 これに危機感を持つ同研究会のメンバーは、JR北海道から有償譲渡の承諾を得た上で、1日からインターネットで車両保存に必要な小口の資金を募る「クラウドファンディング」(CF)を始めた。目標額の610万円を塗装費や運搬費などに充てる。期限とする3月30日までに目標に届いた場合は2両目の取得も目指し、最終的に計1100万円を集める方向だ。

1980年代に撮影された根室線の狩勝峠付近を走るキハ183系初期型車両の特急「おおぞら」(北海道鉄道観光資源研究会提供)
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