ヨーロッパへの移民の主要なルートとなっている北アフリカ沖の地中海で、移民が乗った小型のボート2隻が相次いで沈没し、合わせて少なくとも89人が死亡や行方不明となり、依然として危険な渡航が後を絶たない状況が続いています。

北アフリカのリビア沖の地中海で6日、およそ150人の移民が乗った小型のボートに穴があいて沈みかけているのをイタリアの沿岸警備隊が見つけました。

沿岸警備隊の隊員に取り付けられたカメラの映像には、海に投げ出され、もがくように泳いでいる男性たちが救助される様子が映っています。

沿岸警備隊や国連のIOM=国際移住機関によりますと、ボートに乗っていた86人が救助されましたが、女性8人の死亡が確認されたほか、56人が行方不明になっているということです。

また、AP通信によりますと、リビア海軍は、北アフリカ沖で別のボート1隻も沈没し、少なくとも移民25人が死亡したと明らかにしたということです。

IOMによりますと、去年、ヨーロッパに向かおうと地中海を渡っていて亡くなった移民や難民は3116人に上ったということです。このうち、情勢が不安定なリビアから地中海を渡ってヨーロッパを目指すのが主要なルートになっていて、依然として危険な渡航が後を絶たない状況が続いています。

配信 1月9日 5時43分
NHK NEWS WEB
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