ロンドン(CNNMoney) スイス・チューリヒ中心部にあるアップルの直営店で9日、スマートフォン「iPhone」のバッテリーが過熱して煙を吹き出し、店内にいた客や従業員が避難する騒ぎがあった。

チューリヒ警察によると、この騒ぎで建物内にいた客など50人が避難。iPhoneからバッテリーを取り出そうとしていた同店の従業員が軽いやけどを負った。7人は手当てを受けたものの、入院した人はいないという。

バッテリーが過熱した原因については専門の捜査員が究明に当たっている。警察は、煙を吹き出したバッテリーに砂をかけて非常事態を食い止めたスタッフの対応を称賛している。

アップルには何度もコメントを求めたが、返答はなかった。

iPhoneなどの電子製品に使われているリチウムイオンバッテリーは可燃性の電解質が使われていることから、極めて稀(まれ)に、発火することがある。韓国サムスン電子の「ギャラクシー・ノート7」は2016年に発火事故が相次ぎ、同社は昨年、バッテリーの設計や製造に問題があったことを確認した。

ヒューレット・パッカード(HP)やソニーなどの各社も、コンピューターのバッテリーに発火の恐れがあるとして、リコールを実施したことがある。米連邦航空局やアメリカン航空は、リチウムイオンバッテリーの持ち込みに規制をかけている。
https://www.cnn.co.jp/tech/35112935.html