1/11(木) 12:44配信
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 3歳児健診を受けた子どものうち、虫歯のある子どもの割合(虫歯有病者率)は2015年度、青森県は28.8%で、全国ワースト2位だったことが国立保健医療科学院(埼玉県)のまとめで分かった。データがある02年度から15年度までの14年間で、青森県は全国ワーストが5回、ワースト2位が9回で、全国最悪水準に低迷したまま。歯科医療関係者は「口の中の状態が悪いと、体全体の健康を害するリスクが高くなる。平均寿命延伸のためにも正しい生活習慣を身に付けることが大切」と強調する。

 同科学院は、厚生労働省の資料を基に毎年、都道府県別の有病者率をまとめている。それによると、15年度に健診を受けた青森県の3歳児8928人のうち、虫歯があったのは2568人。虫歯有病者率は28.8%で、全国平均(17.0%)を大きく上回り、最も低い愛知県(11.2%)の約2.6倍だった。有病者率は例年、全国的に都市部が低く、地方が高い傾向にある。

 全国同様、青森県の虫歯有病者率は年々低くなっており、15年度の有病者率は、02年度(48.6%)に比べ、約4割減となっているが、全国平均とは10ポイント以上の差がある。14年間(02〜15年度)で青森県がワースト2位だった年のワーストはすべて沖縄県だった。

 県歯科医師会の清藤浩也理事(地域保健担当)によると、虫歯の原因菌は1歳半〜3歳ごろに母親などの大人から唾液を介して子どもに伝播(でんぱ)(感染)。菌は糖質を餌にして酸を出し、歯を溶かす。同理事は「おやつなどをだらだら食べると酸が中和されず虫歯をつくる」とし「食生活を中心とした生活習慣が虫歯有病者率に大きな影響を与えているのは明白」と説明する。

 県の調査(16年度)によると、甘味食品・甘味飲料を1日3回以上飲食する子どもの割合は、県全体で1歳6カ月児健診時で19.6%、3歳児健診時で24.4%だった。比較できる他県のデータはないが、歯科医療関係者は「もっと減らすべき」と指摘する。

 村上明継・東地方保健所歯科衛生推進監は、虫歯予防のポイントとして(1)歯磨き習慣を身に付ける(2)甘い物を食べる回数、量を少なくする(3)(虫歯予防に効果があるとされる)フッ素化合物を塗布する−を挙げる。「幼児期に虫歯が多いと永久歯になっても、長年の生活習慣によって虫歯が多くなる傾向がある。歯周病菌や虫歯菌が血中に入って悪影響を及ぼし、全身疾患にかかるリスクを上げると言われている。短命県脱出のためには口の中の健康が大切」と話した。

 有病者率をまとめた同科学院の安藤雄一統括研究官(地域医療システム研究分野)は「山形県の有病者率は02年度、45.7%と、青森県と同水準だったが、15年度は20.2%とかなり改善している。かつて山形県内で最も虫歯が多かった大蔵村が地域を挙げて虫歯予防に取り組み、県のトップレベルまで有病者率が改善した好事例があり、その波及効果などが全県の虫歯減少につながったのではないかと思う。青森県でも今後の取り組みによっては改善が十分期待できる」と語った。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180111-11124424-webtoo-l02
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