トヨタ「ハイエース」が1967年の発売から50年を迎えました。日本では「ハイエース専門店」が複数存在するほか、海外でも需要が高い車種です。どのような点が支持されているのでしょうか。

「ハイエースバン」。ボディの幅や長さ、ガソリン車、ディーゼル車のちがいなどさまざまなタイプがある
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■「中古車」というより「ツール」

 トヨタのキャブオーバー型(ボンネットのないクルマ)車両「ハイエース」が、1967(昭和42)年の発売から50周年を迎えました。

 5代目にあたる現行車種は、大きくわけて商用の2〜9人乗り「ハイエースバン」、一般乗用の10人乗り「ハイエースワゴン」、マイクロバスに相当する14人乗り「ハイエースコミューター」の3種類があり、さらにそれぞれで複数のグレードが設定されています。また、ボディの長さや幅のちがい、ガソリン車とディーゼル車、2WDと4WDのちがいなどもあり、ひと口に「ハイエース」といってもさまざまなタイプが存在します。この幅の広さもあってか、国内では「ハイエース」を専門に扱うディーラーも少なくありません。

 多種多様に展開されている「ハイエース」、その魅力はどのような点なのでしょうか。全国で4つの「ハイエース」専門店を展開するフレックス・ドリーム(東京都調布市)に聞きました。

――「ハイエース」の魅力はどのようなところでしょうか?

 なんといっても広い車内空間、そして求めるインテリアへいかようにも変えられる自由度の高さでしょう。あの空間をどのように利用するか、そこに多様性が生まれ、専門店もたくさん生まれるわけです。当社では「ハイエース」をいわゆる「新車」「中古車」というより、ひとつの「ツール」あるいは「動くハコ」として考えています。当社はインテリアに注力していますが、もちろんエクステリアに力を入れる店もあり、内外装ともにオリジナリティを出しやすい車種といえます。

――顧客としては法人と個人のどちらが多いのでしょうか?

 全体としては法人が多いかもしれませんが、専門店はそれぞれに得意とするところがあり、当社では乗用の「ハイエースワゴン」を一般のお客様に販売することが多いです。

――個人はどのように楽しんでいるのでしょうか?

 当社では「ライトキャンピングカー」として販売することが多く、お客様もアウトドアを楽しまれる方が多いです。「ライト」というのは、一般的なキャンピングカーほど作り込まないものの、後席を倒して水平にできるなど、乗用車として十分に機能しつつ、クルマのなかで寝れるというレベルまでカスタムしています。

「ハイエース」を買われるお客様は、やはり何らかの趣味をお持ちの方が多いかもしれません。ですから、積む荷物もさまざまです。たとえばオートバイや自転車を積めるようにカスタムすることもあります。

■「石を投げれば『ハイエース』に当たる」? 海外でも人気

――「ハイエース」市場はどれほど大きいのでしょうか?

 専門店だけで全国に数百はあるでしょう。そもそもの生まれが商用車であることもあり、街で見かける商用「ハイエース」の多さたるや、大げさな表現かもしれませんが「石を投げれば『ハイエース』に当たる」といっても過言ではないかもしれません。海外でも人気の高い車種ですし、マーケットが広いと考えています。

――海外ではどれほど評価されているのでしょうか?

 評価は非常に高く、むしろ相場の底を支えているのは海外の人かもしれません。やはり、有用な「ツール」としてとらえられていること、昔から続く車種でヒストリーを持っていること、そして海外における「トヨタ」への信頼感に裏打ちされているでしょう。たとえば、日本では走行距離が10万kmを超えていると売りづらいかもしれませんが、海外の方は高く買われます。

 ちなみに、「ハイエース」の新車価格は税込みで、「ハイエースバン」「ハイエースワゴン」が280万円台から、「ハイエースコミューター」が310万円台からです。フレックス・ドリームで販売されている中古「ハイエース」の価格帯は、カスタマイズされたいわゆるコンプリートカーで300万円台前半から中盤が主流、安いものでは現行モデルで100万円以下、高いものでは500万円前後だといいます。

>>2以降にハイエースの画像があります

配信2018.01.10
乗り物ニュース
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