米海兵隊総司令官のロバート・ネラー大将は、休暇中に海で危険を顧みず、溺れかかった沖縄県民ら4人を救助したとして、米海兵隊キャンプ・シュワブ(同県名護市、宜野座村)に所属するアーロン・クランフォード中尉に対し、非戦闘時の勇敢な行動をたたえる海軍・海兵隊勲章を授与した。

 在日米海兵隊によると昨年4月23日、休暇中のクランフォード中尉は知人とともに沖縄県恩納(おんな)村周辺でダイビングを楽しんでいた際、離岸流で沖に流されそうになっていた沖縄県民を含む4人の日本人ダイバーを発見した。一緒に潜っていた知人が安全に陸に上がるのを見届けた後、ただちに海に戻り、波に流されつつあった4人を1人ずつ救助したという。

 キャンプ・シュワブで8日行われた勲章授与式で、クランフォード中尉は「間違いなく彼らは水中でもがいていた。装着していたダイビングギアは乱れ、誰かの注意を引こうと必死に腕を振っていた」と当時の状況を振り返えった。

 救助された沖縄県沖縄市在住の男性は「このままでは死んでしまうと思った。足が固まり、ボンベの酸素が空になったため海面に出ると、押し寄せてくる波で沖の方に流され、波の勢いで口元のレギュレーターも外れてしまった」と話した。

 救われた別の男性も「クランフォード中尉の助けがなければ、私は今ごろ生きてはいないだろう」と語り、命の恩人の勇敢な行動に深く感謝した。

 クランフォード中尉が所属する第3海兵師団司令官のティンバーレーク少将は「彼は海兵隊の素晴らしいお手本。彼の行動には多大なる勇気が必要であり、海兵隊員としての鏡だ」と称賛した。

 米海兵隊員の勇敢な行動はこれにとどまらない。

 昨年12月1日には沖縄県沖縄市で発生した車6台による多重交通事故で、在沖米海兵隊のヘクター・トルヒーヨ曹長がクラッシュした車から同県民の男性医師を命からがら救助した。ところが不運にも後続車にはねられて意識不明の重体となり、称賛や早期回復を願う声が日本全国でわき上がっている。

 米第3海兵遠征軍の担当官は産経新聞の取材にこう強調した。

 「海兵隊はいかなる状況であろうとも、また任務中であろうと任務中でなかろうとも、体現される誠実や勇気、献身といった価値をすべての海兵隊員に教え込んでいる」

配信http://www.sankei.com/world/news/180112/wor1801120032-n1.html
産経ニュース
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