2025年のEV向け電力量超える

 仮想通貨創出に今年世界で必要になる電力は、アルゼンチンの総消費電力に匹敵する可能性がある。米国や中国などで再生可能エネルギーを手掛ける企業にとっては、成長の原動力になるかもしれない。

 モルガン・スタンレーのニコラス・アシュワース氏率いるアナリストチームは10日のリポートで、ビットコインなど仮想通貨マイニング(採掘)に必要な電力は今年、最大140テラワット時に達する公算があるとして、世界の総消費電力の0.6%に相当すると説明。2025年に電気自動車向けに見込まれる電力を上回る規模で、「仮想通貨の値上がりが続けば、マイニングのための消費電力も世界で増えるだろう」と予想した。

 同リポートは消費電力自体は世界の電力株けん引には小さ過ぎるとした上で、米ネクステラ・エナジーやスペインのイベルドローラ、イタリア電力公社(ENEL)など、風力や太陽光発電および蓄電に投資する企業にとっては重要な成長ストーリーだと指摘。再生エネルギーに投資する大規模石油会社や、新規仮想通貨公開(ICO)で調達した資金が支える再生エネルギー事業者も恩恵を受ける可能性があると付け加えた。(ブルームバーグ)

2018/1/11 16:30
日刊工業新聞
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00457586?twinews=20180111