https://www.cnn.co.jp/m/usa/35113066.html

2018.01.12 Fri posted at 10:40 JST
(CNN) 米国でイスラム教徒の人口が拡大するなか、向こう20年間でイスラム教の信徒の数が上位2番目になる可能性があることが12日までにわかった。世論調査機関ピュー・リサーチが調査結果を発表した。

ピュー・リサーチは、07年と11年、17年に実施した調査と国勢調査のデータを組み合わせて、米国におけるイスラム教徒の将来像を描き出した。

こうしたデータによれば、イスラム教徒の人口は急拡大しており、ピュー・リサーチの試算によれば、その人口は17年の345万人から50年には倍以上となる810万人にまで増加する。その過程で、イスラム教徒の数はユダヤ教徒の数を追い抜き、米国で2番目の信徒数を擁するようになるという。

こうした状況を説明する簡単な答えのひとつは移民だ。ピュー・リサーチによれば、16年に移住してきたイスラム教の数は過去最高だった。米国のイスラム教徒の4分の3は移民か移民の子どもたちだという。

他の要因としては、平均的にイスラム教徒の人口は他の宗教と比べて若いことが挙げられる。つまり、出生率がより高いというわけだ。

イスラム教徒の人口が今後数十年間に2倍に拡大するとしても、人口全体に占める割合はごく一部に過ぎず、他のグループでの変化も大きな影響力を持つ。

例えば、20年にはキリスト教徒の人口は2億5297万人になるとの推計がある。これはイスラム教徒の人口の70倍だ。

50年のキリスト教徒の人口は推計2億6196万人。増加人数は多いが、他の宗教グループも増加するため、人口に占める割合は減少する。

ただ、イスラム教徒が信徒数で2番目といっても人口全体に占める割合は2.1%に過ぎない。

また、どの宗教にも属していないと考える人たちについて考慮することも重要だろう。

どの宗教にも属していないと考える米国人の数は20年で6231万人にのぼるとみられている。50年には1億86万人との推計がある。


こうしたことから、人口の拡大はあるにしても、米国ではキリスト教は圧倒的に人数の多い宗教グループであり、それに続くのが「無宗教」の人々ということになりそうだ。