https://www.cnn.co.jp/m/world/35113092.html

2018.01.12 Fri posted at 18:07 JST
(CNN) チュニジアで緊縮財政策などに抗議するデモが広がっている。内務省報道官は11日、国営TAP通信に、4夜連続で抗議が続いたことを受けて警察が328人を逮捕したと明らかにした。

最初に抗議行動が発生したのは7日。値上げや付加価値税増税を盛り込んだ法律に抗議するデモが首都チュニスなどで起き、これまでに少なくとも1人が死亡した。シナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)も火炎瓶による攻撃を受けたとされ、当局はこれをデモに結びついた破壊行為と非難している。

内務省報道官はTAPに、治安部隊が全土に展開したことを受け、10日夜には破壊行為や略奪行為が大幅に減少したと言及。「略奪行為や窃盗」に関与した者を逮捕するため、警察が一斉捜索を行ったと明らかにした。

デモ中に治安部隊員21人が負傷、警察車両十数台が損壊したという。

シャヘド首相は10日、影響を受けた地域のひとつを訪問。デモを支援する主要野党「人民戦線」を批判し、犯罪組織が混乱に乗じていると主張した。「人民戦線を含む無責任な政党」と暴徒が結びついているとしている。

人民戦線は問題の法律の撤廃に向けた平和的なデモを呼びかけてきた。

チュニジアでは2011年、中東や北アフリカで広がった民主化運動の口火を切る抗議行動が発生。「アラブの春」の成功例とうたわれている。ただ一方で、経済的な苦境や一連のテロ攻撃、過激主義との戦いにより混乱からの回復が遅れているのが現状だ。

デモに参加し、スローガンを叫ぶチュニジアの人々
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