福井県の人口10万人あたりの交通事故死者数が昨年、全国の都道府県で最多だったことが、警察庁のまとめでわかった。

一般道での後部座席シートベルト着用率もワースト1位だったことが、日本自動車連盟(JAF)などの調査で判明。県内で昨年、乗車中に交通事故で亡くなった人のうち、8割程度がベルトを着用していなかったとみられ、県警は啓発活動に力を入れている。

 県警によると、2017年の事故死者数は46人と、16年よりも5人減少。しかし、警察庁のまとめによると、人口10万人あたりの死者数は5・88人と、全国ワースト1位となった。

 背景には、シートベルトの未着用があるとみられる。JAFと警察庁が17年10月に目視で実施した調査によると、県内一般道での後部座席の着用率は14・8%(全国平均36・4%)と、都道府県別で最下位。高速道でも54%(同74・4%)と低かった。一般道では15年も全国で最低の17・2%だったが、さらに数字が悪化した。

 県警によると、17年の自動車乗車中の事故による死者20人のうち、15人が非着用だったとみられる。前の座席などに頭をぶつけ、首の骨を折って致命傷になることが多い。また、事故の衝撃で曲がったドアの隙間などから車外へ投げ出されたり、同乗者にぶつかってけがを負わせたりするケースもある。

 県警は「なんでせんの?シートベルト」と銘打ち、非着用時の危険性を説明したポスターやチラシ計2400枚を作り、県内の自動車販売店や役所などに置いた。

 県警交通部の岩瀬繁雄管理官は「『後部座席は安全』という古い感覚を取り払う必要があり、死者を減らすため、今後も着用徹底を呼びかけていく」と話した。(大川哲拓)

2018年1月13日 10時04分
YOMIURI ONLINE
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