(ア) 裏山全般
 a 裏山は,全体に急峻で崩落の危険があり,昭和59年には市道との
 間にコンクリート擁壁が設けられ,昭和60年に急傾斜地崩壊危険区
 域に指定された後,平成15年には造成斜面の箇所で崖崩れが発生し,
 大川小学校敷地まで土砂が押し寄せてきた。このため,平成16年ま
 でに,当該部分には急傾斜地対策工事が行われて造成斜面とされると
 ともに,改めて付近の斜面が急傾斜地崩落危険区域に指定されており,
 石巻市のハザードマップでもその旨表示されている。
 このような事情は,釜谷地区の住民には広く知られていたため,本
 件地震の際にも,地域住民は裏山の崩壊を恐れており,津波が実際に
 大川小学校付近に襲来する以前の時点において,予防的に裏山に登っ
 た地域住民は皆無であった。