>>587 これかな?
プレスリリース:アブストラクトより詳しく日本語(説明図付き)で読める

ニュースNews 2017年2月24日
iPS細胞から血液脳関門モデルの作製に成功
http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/news/170224-020000.html

ポイント
•ヒトiPS細胞から血管内皮細胞注1・周皮細胞注2・ニューロン・アストロサイト注3を作製・共培養し、
血液脳関門注4に特異的な輸送体やバリア機能を示す脳血管内皮細胞を作製した。
•脳血管内皮細胞の特徴を有するには、ニューロンにおけるDll1遺伝子の発現によりNotchシグナル伝達系注5
が活性化されることが必須である。
•ヒトiPS細胞由来脳血管内皮細胞を用いて、血液脳関門のモデルを作製した。
•作製した血液脳関門モデルにおける薬物の透過性は、体内の血液脳関門と同様の傾向を示した。

要旨
山水康平特定拠点助教(京都大学CiRA増殖分化機構研究部門)、山下潤教授(京都大学CiRA同部門)らの研究グループは、
ヒトiPS細胞から血液脳関門のモデルを作製することに初めて成功しました。

4. まとめ 
 本研究ではヒトiPS細胞から血液脳関門を構成する血管内皮細胞・周皮細胞・ニューロン・アストロサイトへと分化誘導し、 それらを共培養することで、
血管内皮細胞が血液脳関門に特有の脳血管内皮細胞の特徴を獲得するメカニズムを解明しました。
また、作製した脳血管内皮細胞を用いて、体内の血液脳関門と同様のバリア機能を有する血液脳関門モデルの作製に成功しました。
今回作製したモデルは、今後、血液脳関門の形成や機能についてのさらなる研究や治療薬候補の開発段階でのスクリーニングに貢献できると考えられます。
また、中枢神経系疾患の患者さん由来iPS細胞から血液脳関門モデルを作製することで、 血管障害がそれらの疾患にどのように寄与しているかを調べることにもつながると期待されます。

5. 論文名と著者 ◦論文名
"In vitro modeling of blood-brain barrier with human iPS cell-derived endothelial cells, pericytes, neurons, and astrocytes via Notch signaling"
◦ジャーナル名Stem Cell Reports
◦著者Kohei Yamamizu1, *, Mio Iwasaki1, Hitomi Takakubo1, Takumi Sakamoto2, Takeshi Ikuno1, Mami Miyoshi1, Takayuki Kondo1,
Yoichi Nakao2, Masato Nakagawa1, Haruhisa Inoue1, and Jun K. Yamashita1
◦著者の所属機関
1.京都大学iPS細胞研究所
2.早稲田大学先進理工学部
*責任著者 は山水康平一人きり

6. 本研究への支援
本研究は、下記機関より資金的支援を受けて実施されました。
•JSPS 科学研究費助成事業 若手研究B
•AMED再生医療実現拠点ネットワークプログラムiPS細胞研究中核拠点
•AMED再生医療実現拠点ネットワークプログラム疾患特異的iPS細胞を活用した難病研究
•AMED再生医療実用化研究事業
•公益財団法人 武田科学振興財団
•iPS細胞研究基金