1月28日 20時37分
東京電力福島第一原子力発電所が立地し、事故で住民が町の外への避難を余儀なくされている福島県双葉町の一部の地区で、産業復興の拠点整備に向けた造成工事が始まりました。
福島県双葉町は、原発事故のあと全域で避難指示が続いていますが、北東部の中野地区は放射線量が比較的低く、企業活動が行える「避難指示解除準備区域」に指定されています。
町は、この地区のおよそ50ヘクタールを産業復興の拠点と位置づけ、ことし秋ごろから一部を利用できるようにする計画です。
28日、予定地では起工式が開かれ、伊澤史朗町長が「双葉町にも、ようやく復興のつち音が響く。福島第一原発に最も近い産業団地として町の復興と廃炉作業に役立ってもらいたい」と述べ、くわ入れをして工事の安全を祈願しました。
双葉町で産業復興の拠点整備に向けた造成工事が始まるのは中野地区が初めてで、廃炉作業に関わる企業に貸し出す産業団地や震災と原発事故を継承していくための県のアーカイブ施設、それに、働く人たちが飲食や会議で活用できる産業交流センターが整備される予定です。
起工式に出席した吉野復興大臣は「双葉町では、中野地区の働く拠点のほか、除染を進め、住民が暮らせる場所の整備も進めたい」と述べました。