代表的な仮想通貨ビットコインの価格が31日、大幅に下落した。情報サイトのコインデスクによると、31日未明に節目となる1万ドルを約1週間ぶりに割り込んだ。仮想通貨の不正流出が問題となっているコインチェック(東京・渋谷)が30日夜、一時停止している出金についての見通しを数日以内に発表することを表明。出金が可能になり仮想通貨全体への換金需要が膨らむとの思惑から、売り優勢となっている。

 ビットコインの価格は年初につけた直近の高値(1万7000ドル程度)からは4割超下落している。売りは幅広い仮想通貨に広がっており、今回コインチェックから流出した「NEM(ネム)」をはじめ、イーサリアムやリップル(XRP)などの相場も下落している。仮想通貨取引所のセキュリティー体制に対する不安が強まり、現金化する動きがさらに広がるとの見方もある。

 米フェイスブックが、仮想通貨技術を使った資金調達(ICO=イニシャル・コイン・オファリング)に関する広告を全世界で禁止すると発表したことも重荷となっている。

2018/1/31 11:30
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26356060R30C18A1MM0000/