2018.01.31 Wed posted at 09:39 JST
ニューヨーク(CNNMoney) 米フェイスブックが6〜12歳の子ども向けに提供している新アプリ「メッセンジャー・キッズ」に対し、健康医療の専門家や団体などがマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)に書簡を送り、同アプリは子どもの健全な発達を阻害する恐れがあるとして提供中止を要請した。
書簡は子どもにとって有害な宣伝キャンペーンの撲滅を目指す団体CCFCなど十数団体と、健康医療の専門家100人あまりが連名で発表。同アプリがターゲットとする6〜12歳の子どもについて、「インターネット上の複雑な関係を切り抜けられる年齢になっていない。そうした関係は、成熟したユーザーでさえ、誤解や衝突につながることがある」と指摘した。
さらに、どんなコンテンツを共有するのが適切か、どんな相手に自分の会話や写真やビデオへのアクセスを認めるべきかといったプライバシーについても、子どもは十分理解できないと訴えている。
メッセンジャー・キッズはフェイスブックが12月に発表したアプリで、友人とのチャットやビデオ通話などができる。フェイスブック本体は、13歳以上のユーザーしか登録できない。
フェイスブックでは、アプリの開発に当たっては専門家や保護者などから幅広く意見を聞いたと説明。また、不適切なコンテンツを報告したり、ユーザーをブロックしたりするなど、サイバーいじめを防ぐ措置も講じたとしている。同アプリでは広告は表示されない。
しかし書簡では、「たとえそうした安全策が有効だったとしても、アプリは全般的に家庭や社会に悪影響を与えるだろう。幼い子どもたちの間でソーシャルメディアの利用が普通になれば、仲間に対してアカウント登録を迫るプレッシャーになる」と指摘する。
フェイスブックの広報はCNNの取材に対し、メッセンジャー・キッズのアプリを打ち切る予定はないと述べ、同アプリでは親子が安全にチャットでき、子どもの連絡や交流は常に親がコントロールできると強調している。