任侠山口組 3月にも「指定暴力団」に
2018/2/1 11:54

指定暴力団神戸山口組から2017年4月に離脱した暴力団「任侠山口組」について、
国家公安委員会が1日、暴力団対策法に基づく指定手続きに入ることを全国の警察本部に伝えることが、
捜査関係者への取材で分かった。織田絆誠代表(51)をトップとして拠点を直系の
「真鍋組」事務所(兵庫県尼崎市戸ノ内町3)に置いていると認定。
県内の指定暴力団は山口組、神戸山口組に続き、3団体目となる。

関係者によると、国家公安委は任侠山口組について1日時点の組織情報を基に指定手続きに入るという。
県公安委員会が2月下旬に同組から意見聴取し、3月にも指定する方針。
意見聴取の日程や場所は2月上旬に公示して組側に伝える。
欠席した場合でも手続きに影響はなく、全国23番目の指定暴力団となる見込み。

指定されれば「抗争時の事務所使用制限命令」など暴対法の規制を適用できる。
警察庁はこれまで任侠山口組を「神戸山口組で内紛中の系列組織」と捉える形で指定状態を保ちつつ、
独立組織としての指定に向けた情報収集を進めてきた。

指定には「拠点の特定」や「恐喝など暴力団特有の犯罪歴のある者を一定割合以上含む」
などの要件を満たす必要があるが、引き抜き工作が続いて組員の所属を特定するのが難しく、
確認に約9カ月を要した。

任侠山口組は、毎月の定例会を独自に開き、昨年8月には記者会見で神戸山口組の体制を批判。
同9月には神戸市長田区で任侠山口組の組員が神戸山口組系組員に射殺される事件も起きるなど、
双方の対立が鮮明になっている。

神戸山口組の指定を巡っては、同組が15年8月に山口組から離脱した直後に警察庁が
「別団体になった」との見解を示したため、指定状態にない空白期間が約8カ月生じた。
この間、全国で計75件の衝突事件が起きたが、「指定暴力団同士の抗争」と認定できず、
事務所使用制限などができなかった。

捜査幹部は「別団体として指定すれば、実情に合わせた規制ができ、活動を封じ込める」とした。

神戸新聞NEXT
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201802/0010947549.shtml
定例会のために真鍋組事務所に集まる任侠山口組の組員ら=1月28日午前、尼崎市戸ノ内町3
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201802/img/b_10947550.jpg