沿岸捕鯨は、遠くまで行って絶滅危惧種を殺す遠洋捕鯨とは違うからね。


南半球に生息し、日本の調査捕鯨の対象となっているクロミンククジラの個体数については、近年まで
76万頭という数字が独り歩きしていました。しかし、これは国際捕鯨委員会(IWC)で合意されていない
仮置きの数字≠ノすぎません。実は、ほかでもない日本の調査捕鯨によって収集されたデータの解析
結果からは、少なくとも調査期間中にはクロミンククジラが増加していないことが確認されたのです。
それより以前の個体数は、上述のオキアミの余剰仮説をもとに机上で算出されたごく大ざっぱな推計で、
調査によって実測された値ではないのです。性格の異なる別々の数字を時系列で並べて増減を比べても、
科学的には意味がありません。比較考量可能な唯一のデータが、国際機関と各国共同による南極海全体
の大がかりな目視調査・IDCR/SOWER(南大洋鯨類生態調査)の2周目と3周目の調査結果であり、そ
れによれば72万頭から51.5万頭に大きく減少したことが判明しています。これはIWC科学委員会でも
公式に認められた数字です。
http://www.kkneko.com/mabiki.htm