今年も「さっぽろ雪まつり」(2月12日まで)が始まりました。例年、250万人前後が来場する国内有数のイベントです。この雪まつりを「縁の下の力持ち」として自衛隊が全面協力する理由とは?

「今年は1月7〜15日に、北部方面輸送隊が大型輸送車で延べ1110台分の雪を輸送しました。雪が多ければ近くの滝野霊園だけですむのですが、今年は雪が少なかったので足を伸ばして集めてきました」と語るのは、陸上自衛隊第11旅団(札幌市・真駒内駐屯地)の広報室長、瀧田雄司さんです。

陸上自衛隊は雪輸送だけでなく、雪まつりのシンボルである大雪像の制作も行っています。初めて参加した1955年には高さ11mの「聖母マリア」像を制作しました。出来栄えは他の雪像を圧倒していたそうです。以来、陸上自衛隊は雪まつりを支えてきました。

今年、大通公園4丁目の「ファイナルファンタジーXIV“白銀の決戦”」を制作したのは、第11旅団の第11特科隊・第11偵察隊・第11高射特科中隊の約150人。8丁目会場の「奈良・薬師寺大講堂」を制作したのは第18普通科連隊の約150人です。

「制作中に気温が上がったり、雨が降ったりすると、溶けたところの補修などで夜遅くまで作業することもあるのですが、今年は寒波のおかげで制作は計画通り順調に進みました」(瀧田さん)

雪像は通常、締め固めた雪を削ってつくります。「ファイナルファンタジー」はそうして制作しました。一方、「薬師寺」のように瓦や柱などがある雪像は、型に雪を入れてパーツをつくり、それらを組み合わせて大雪像を仕上げるアイスブロック工法で制作しました。第18普通科連隊が代々受け継いできた伝統的な工法です。

陸上自衛隊が雪まつりに協力する理由を瀧田さんが語ります。「毎年、雪輸送や大雪像づくりで雪まつりに協力しているのは、雪の中での行動訓練と土木作業訓練になるからです。そうした訓練の成果を自分たちで確認し、また多くの人にも喜んでいただけるので、隊員たちも手応えを感じながら制作に励んでいます」
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2018/02/05 07:52 ウェザーニュース
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