- シムスンドク - 詩人、1960年江原道平昌生まれ
お母さんだから大丈夫だと思っていました
一日中畑で死ぬほど苦労して働いても
お母さんだから大丈夫だと思っていました
かまどに座って冷や飯だけの昼食を適当に食べていても
お母さんだから大丈夫だと思っていました
真冬の小川で素手で洗濯をしていても
お母さんだから大丈夫だと思っていました
家族にご飯をすべて与え、本人はひもじくても
お母さんだから大丈夫だと思っていました
ほつれた服やボロボロの布団でも
お母さんだから大丈夫だと思っていました
爪を整えることもなく磨り減って割れていても
お母さんだから大丈夫だと思っていました
父が怒っても、子供たちがひそひそ言っても、全く揺るがない
お母さんだから大丈夫だと思っていました
お母さんが自分の母に会いたい母に会いたいといっても
単なる不平を言っているだけだと…
夜中に起きて、部屋の隅で、声を殺して泣いていたお母さんを見てしまいました
ああ! お母さんは大丈夫ではなかったのでした