給料泥棒、ガハハおじさん、名誉副部長etc. 存在自体が目障りな50代社員はどの会社にもいるが、彼らとて望んで“負け組”になったわけではない。負け組50代の主張と打算に耳を傾けつつ、誰もが通る“加齢”の恐怖にどう抗うか、その中から学んでいこうではないか。

カネのために退職は論外。時間をかけて働くフリの毎日
 …安村敏和さん(仮名・53歳)県職員/年収700万円/勤続31年

 出世コースから外れても世間からは勝ち組と見られる公務員。安村さんはかつて某県庁に勤めるエリート職員だったが15年前、トラブルの責任を取らされ左遷。以来、出先機関などを転々とし、現在の職場も郊外にある県運営の宿泊研修施設だ。

「どんなに頑張ったとしても県庁にはどうせ戻れないので仕事のモチベーションは上がりませんが、県職員の給与体系なので給料だけはいい。だから、いかに働くフリをして仕事をサボろうか、そればかりを考えています(笑)」

 とはいえ、そもそも仕事はあまりなく、残業はあっても月1〜2日。それも30分程度とか。

「とりあえず、今は紙のファイルで管理されていた’80〜’90年代の利用状況をデジタル入力する作業をしているのですが、普通なら1か月とかからない作業を3か月かけてのんびり行っています」

 それでも同じく左遷組の施設長からは「働きすぎだよ」と言われたというから驚きだ。

「だから、午後は見回りと称しては敷地内をウオーキングしたり、トレーニング室でマシンを使った運動などして過ごしています。閑職に追いやられたのをプラスと捉え、健康維持に努めようと思って。定年後をどう楽しむかしか考えていないので、そのためにも元気でありたいですしね(笑)」

 職場ぐるみのサボリ体質。税金の無駄遣いも甚だしい。

― 負け組50代の背中 ―

ソース
https://nikkan-spa.jp/1450298