1月22日、都内で行われたボンカレー50周年&スーパーカップ30周年コラボ商品発表会。写真左から、大塚食品戸部貞信社長、ゲストの河北麻友子さんと天野ひろゆきさん、エースコック村岡寛社
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1968年発売当時のロゴを再現した『ボンカレー50』230円
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発表会では、松山容子さんもVTRでゲスト出演した
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「ボンカレー50」の調理例。沖縄限定ボンカレーに比べて、野菜と肉の量が増えている(写真:大塚食品)
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■50周年を迎えたレトルトカレーの元祖

レトルトカレーの代名詞と言えばボンカレー。同商品を製造・発売している大塚食品では、50周年を記念した新商品「ボンカレー50」(230円)を3月5日に発売する。

“レトルトカレーの代名詞”と書いたが、実際には、ボンカレーはレトルトカレーの元祖商品だ。1968年に、お湯で温めるだけでできる家庭用カレーとして世界で初めて阪神地区限定で発売され、1969年から全国販売に。取り扱い店にホーロー製看板を掲示する画期的なマーケティング方法、人気番組「子連れ狼」のパロディCMとあいまって、一世を風靡。1973年には、年間販売数量が1億食に達した。

ボンカレーの発売以来50年、一貫しているコンセプトは“お母さんの作ったカレー”。黄みがかったルーや玉ねぎの甘みが勝った優しい味わいが特徴となっている。今回発売のボンカレー50でも、元祖ボンカレーの味はそのままに、野菜と肉をボリュームアップしたことが、味の大きな変更点だ。

50年販売し続けている商品をリニューアルしたのにあえて“味わいがそのまま”なのはなぜか? 

■実は、話は単純ではない。

ボンカレーはレトルトとしては一番有名と言っても過言ではないが、市場全体のなかでのシェアとしてはトップではない。「2ケタ価格商品のシェアが高い」(大塚食品執行役員製品部長の金子忠晴氏)のだそうだ。また、同社のボンカレーブランドのなかでは、1978年発売のボンカレーゴールド(中辛)が7割を占める。

ボンカレーゴールドは日本人の嗜好変化を意識して、香辛料やフルーツをぜいたくに使ったカレー。パッケージも、女優の松山容子さんを起用したボンカレーのパッケージから、「おいしさ三重丸」の意味を込めた赤とオレンジ色と黄色の三重丸のパッケージに変更した。

最近ではさらに味の多様化が進み、ゴールドも、“オーソドックスな味わい”として認識されるようになっている。

「さらに具材にこだわったものや、とがったところのある品ぞろえも増やしてきています。デミグラスソースを強調したカレーや、500〜1000円の価格帯のご当地カレーなどですね」(金子氏)

このように、発売当初1億食売れたボンカレーだが、嗜好の変化とともに人気が移行。そのため、2003年より今回ボンカレー50として発売されるまで、オリジナルのボンカレーは沖縄県での限定販売となっていたのだ。

沖縄ではなぜか、ゴールドよりもボンカレーのほうがよく売れるのだそうだ。本土ではボンカレーのパッケージと言えばゴールドのパッケージ “三重丸”だが、沖縄に行くと、発売当時そのままの、松山容子さんのボンカレーが店頭に並んでいるというのは一部のカレー好きには有名な話のようだ。

現代風アレンジを加えてはいるものの、味わいを踏襲したボンカレー50が、50周年記念に発売されることには大きな意味があると言える。沖縄限定商品、ということが前提とはなるが、元祖ボンカレーはブランドのなかでも、特に40〜50代に人気が高い商品らしい。

「やはり、発売当時に子どもだった人にとって、『カレーならボンカレー』というイメージが強いのでしょう」(金子氏)

>>2以降に続く

2018年02月11日
東洋経済オンライン
http://toyokeizai.net/articles/-/207155