>>976
勘違いされたら困りますけど、あくまで理想は「戦わずして勝つ」(孫子)ことですから。

それとまあ、日露平和条約締結交渉を打ち切る、という選択肢も確かに日本には残っている。
ロシアの大統領と(辞めるまでに二十数回)会談する安倍首相が退陣すれば、ほぼ自動的に
交渉は打ち切られ、すくなくとも今後数十年間は凍結状態になるでしょう。これだけ努力しても
何の成果もなかった。ロシア人に馬鹿にされただけだった。誰がこんなもんまたやるかよと。

それに、ロシアと交渉しなければ、日本にとってメリットもあるのは確かなんだ。ロシアと対決を
深める対米関係も対欧州関係もさらに良好になって、通商交渉でも日本が有利になるだろうし、
安全保障面でもメリットがある。もしかしたらglobal NATO(日本のNATOへの加盟)すら実現する
かもしれない。

さらに欧米以外に、ロシアには将来、安全保障上の深刻な挑戦者が出現する。中国だ。今でも
中央アジア諸国や国境地帯で中露は目立たない対立をつづけているけど、今後さらに激化する
可能性はかなり高い。だって沿海州はもともと中国(明・清)の領土でしたから。
そして沿海州が中国の手におちれば、「北方領土」の命運は風前の灯火です。幹が枯れれば
葉は落ちます。落ちてくるまで日本がのんびり待つのも、策としてあり得るかもしれない。

ロシアから見れば、平和条約締結交渉打切りとは、露米対立・露欧対立・露中対立で中立化を
ねらっていた日本が敵に回ることを意味する。もちろん、当てにしていた経済協力はゼロだろう。
日本はそういう黒いオプションも手札にもっているけど、できれば使わず穏当に済ませたい。

そんな腹黒い要素もはらんだ丁々発止の平和条約締結交渉が、次のロシア大統領選でプーチン
再選が決まると同時にスタートします。この結末、どうなりますかねえ?