宇佐神宮(大分県宇佐市)のナンバー2に当たる権宮司(ごんぐうじ)だった女性が、同神宮を解雇されたのは無効なうえ、宮司らからパワーハラスメントを受けたとして、同神宮などを相手取り、解雇無効の確認や慰謝料1100万円を求めた訴訟の判決が13日、大分地裁中津支部であった。沢井真一裁判長は解雇無効の訴えは退けたが、当時の宮司らによるパワハラがあったことを認め、同神宮や当時の宮司らに110万円の支払いを命じた。

 訴えていたのは、宮司職を世襲してきた社家(しゃけ)出身の到津克子(いとうづよしこ)さん(49)。

 判決などによると、到津さんは2014年5月、欠勤などを理由に神社本庁(東京)から権宮司職を免職され、同神宮を解雇された。

 沢井裁判長は、同神宮や宮司らが到津さんの会話を無断録音したり、敵対的態度をとったりして人格を不法に侵害するパワハラがあったと認定した。同神宮は「考え方が十分に裁判所に伝わっていなかった部分があり残念」とする談話を出した。

 同神宮の責任役員会は08年、到津さんを宮司にするよう神社本庁に具申したが、神社本庁は県神社庁長を宮司に任命。到津さん側は10年に「宮司選任手続きは無効」と提訴したが、棄却する判決が確定した。(大畠正吾)

2018年2月13日23時40分
朝日新聞デジタル
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