大阪市立総合医療センター(大阪市都島区)で昨年9月、生後2か月の女児に心臓手術を施した後の処置で、気管に空気を送るチューブを医師が誤って食道に入れてしまい、女児が一時的に心停止する事故が起きていたことがわかった。

 女児は低酸素脳症による重度の後遺症があり、現在も寝たきりの状態が続いている。センター側はすでに親族に謝罪している。

 大阪市や親族によると、女児は生まれつき心臓病があり、昨年9月19日に手術を受け成功した。その際、気管にチューブを通し、呼吸の補助を受けていた。

 回復してきたため、同22日、自発呼吸ができるか調べようと、医師がいったんチューブを抜いてみたが、正式にチューブを抜くにはまだ時間が必要と判断。改めてチューブを口から差し込んだ際、誤って食道に入れてしまったという。

 医師がしばらく誤りに気付かなかったため、十分な酸素が行き届かず、女児は約30分間、心臓が停止。人工心肺装置を付け、心拍は再開したものの、低酸素脳症に陥って脳に障害を負った。現在も意識が戻っていない。集中治療室から出られず、退院のめどは立っていない。

 女児の母親は取材に応じ「娘の容体がおかしくなった時にすぐにチューブを抜いていれば、ここまでひどくはならなかったのではないか。事故で娘の人生は一変してしまった」と話している。

 センター側は慰謝料などの補償を検討している。大阪市は「重大な事故だと認識している。今後、再発防止へ安全管理の徹底が必要だ」としている。

2/14(水) 10:25
読売新聞(ヨミドクター)
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