関西の私鉄グループが台湾からの訪日リピーターを増やすことに力を入れている。中でも狙うのは、よりお金を使ってくれる富裕層や個人旅行の訪日客だ。

 近鉄グループホールディングス(GHD)は台湾の富裕層をもてなすツアーを初めてつくる。台湾で最も高いビル「台北101」(508メートル)の特別会員の資格を持つ16人のためのツアーで、開催は気候がよい5月10〜14日にする。

 代金は100万円以上。あべのハルカスの近鉄百貨店での買い物の後、観光特急「しまかぜ」で大阪から伊勢志摩(三重県)へ。2016年の伊勢志摩サミットで主要7カ国(G7)の首脳たちが滞在した部屋に泊まってもらう。夕食もG7のメニューをほぼ再現し、料理長が当時の状況を説明する。17人乗りのゆったりしたバスで伊勢神宮や英虞湾なども案内するという。

 近鉄GHDの担当者は、富裕層向けのツアーでノウハウを積み重ね、「東南アジアの富裕層も取り込んでいきたい」と話す。東南アジア各国に散らばる華僑もターゲットにする。

 阪急阪神ホールディングス(HD)傘下の宝塚歌劇団は今年で3回目になる台湾公演場所に南部の高雄市も加える。13、15年の台湾公演では、東日本大震災への義援金に対する返礼の意味合いも強かった。だが、今回は台湾のファンを増やし、宝塚大劇場への観劇に誘い出す狙いがある。10〜11月に星組のトップスターら40人が演じる予定だ。

 台湾では日本観光は既に相当な人気だ。訪日客は17年で456万人で、台湾の人口約2355万人からすれば5人に1人が訪れた計算になる。訪日客では、中国(735万人)、韓国(714万人)に次いで多い。

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南海電気鉄道の特急ラピート。18日から8月末まで、台湾の鉄道会社「桃園メトロ」を紹介するラッピング広告が車体に入る
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