シリア北部デリゾールで米軍がアサド政権軍側を空爆し、約100人が死亡したとされる問題で、死者の中にロシア人が複数含まれることが13日、分かった。複数の米メディアが伝えた。民間の軍事会社所属とみられ、ロシア政府は関係を否定しているが、シリアでの戦闘に軍以外の民間人が参加している実態が浮かび上がった。

 米空爆は7日、ロシアが支援するアサド政権軍側部隊が、米ロで合意された衝突回避ラインを越えて米軍部隊が同行するクルド人勢力主体の「シリア民主軍」(SDF)の拠点を戦車などで攻撃してきたための反撃だった。政権軍側の進撃の目的は、近隣の油田の奪取だったとの見方もある。

 空爆直後、ロシア国防省は政権軍の進撃について「ロシア軍司令部との合意なしに行われた」と関係を否定した。ただ、死者にロシア人が含まれることでロシア側が攻撃を認識していた可能性も出てきた。

 CNNによると、死亡したロシア人は少なくとも4人。全員ロシア系の民間軍事会社「ワグネル」所属の雇い兵で、ウクライナ東部で親ロシア派側の戦闘に参加した者もいるという。ワグネルは数百人以上の雇い兵をシリアに派遣し、アサド政権軍やロシア軍を支援しているとされる。

 米軍もイラク戦争などで民間軍…

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