0001ばーど ★
2018/02/15(木) 17:15:05.58ID:CAP_USER9https://cdn.images-dot.com/S2000/upload/2018021400029_2.jpg
「地方創生」のために、若者の力を借りた変わった取り組みを行う地域がある。当初は誹謗中傷も受けたが、その取り組みは確実に成果を上げ始めている。
福井県鯖江市の市役所に2014年4月、何やら変わった「課」が発足した。
「鯖江市役所JK課」。その名の通り、メンバー全員が女子高生(JK)だ。
【写真】JK課の女子高生たち
http://sabae-jk.jp/
「行政と距離感のある女子高生自らが企画した地域活動を実践することで、若者や女性が進んで行政参加を図っていくことを目指しています」
と話すのは、JK課を担当する市民まちづくり課参事の高橋藤憲(ふじのり)さん(47)。
人口7万人弱の鯖江市の若者は高校を卒業すると多くが県外に流出する。女性の流出も少なくなく、日本創成会議の試算によれば、同市の40年の20〜30代の女性人口は、10年に比べ27.1%減ると予想される。
女性にとって魅力があり、若者が集う鯖江にしよう──。こうして発足したのがJK課。担当者として白羽の矢が立ったのが、市民主役のまちづくり業務などを担当していた高橋さんだった。
JK課は逆風の中でスタートした。
14年2月、構想が発表されると、1週間で100件以上の誹謗中傷のメールなどが全国から市に殺到した。多くはJKのネーミングに対してで、「JKトいう言葉は隠語ではないか。行政が使うにはふさわしくない」といった声。しかし、苦情の大半は県外から。鯖江市内からはほとんどなかった。「市民は応援してくれている」。高橋さんは確信した。
こうして、鯖江市内在住か市内の高校・高等専門学校に通う女子高生13人でJK課はスタートした。「課」とつくが市役所で働くわけではない。週に1、2回、放課後に市役所の会議室などに集まって活動する。
JK課のコンセプトは「楽しいことを、大人を巻き込みながら進めよう」。
市役所のプロジェクトだが、ルールもノルマもない。あるのは、飲酒はしないなど「法令順守」のみ。
「逆に僕たち大人にルールがあります。街づくりとはこういうものだと、教育したりしない。大事なのは居場所と出番をつくること。あとはすべて女子高生たちで考えてもらい、それを具現化するのが大人の役割。裏方として、サポートに徹することです」
アイデアは次々と生まれ、4年で72ものイベントを行った。地元の菓子店組合の力を借りてオリジナルスイーツを作ったり、図書館の空席状況がわかるスマートフォンのアプリを作ったり。ゴミ拾い企画は「ピカピカプラン」と名づけ何回も行っているが、毎回100人近い市民が参加する。拾ったゴミの重さを競ったり、ハロウィーンでは仮装したこともあった。
JK課には活動費はないので、クラウドファンディングで募った。これまで2回実施し、計140万円近く調達したという。
いまメンバーは47人。女子高生たちは、JK課の活動を通し鯖江を好きになったと声をそろえる。1期生13人のうち、12人は卒業後も県内にとどまった。
2期生で、高校3年のゆうきさん(17)は、高校卒業後はきらびやかな東京か大阪に出ようと思っていた。
が、JK課に入り地元の人との交流を通して地域の温かさを知った。いまでは鯖江のことを、「めちゃ好きです」と笑う。4月から隣の石川県の看護系大学に進学するが、卒業後は地元に戻って働きたいと考えている。
女子高生たちの活動は大人たちを刺激した。JK課に続けと14年6月、鯖江に市民団体「OC(おばちゃん)課」が結成された。40代、50代の女性を中心に約40人。“おばちゃん”ならではの視点で、男子トイレにおむつ交換台の取り付けを提案したり、道の駅で地元の伝統薬味を入れたお餅を売ったりと活動を広げている。
JK課には全国から視察が相次ぎ、全国の自治体の若手職員がJK課にインターンシップで参加する。JKたちは、鯖江市の若者施策の中心的な事業に育った。高橋さんが言う。
「若者が動くと大人が変わる。大人が変われば、地域も動く」
2018.2.15 11:30
AERA
https://dot.asahi.com/aera/2018021400029.html?page=1