2018年2月16日 21:59 発信地:その他
【2月16日 時事通信社】ティラーソン米国務長官は16日、訪問先のアンカラでトルコのチャブシオール外相と会談した。北大西洋条約機構(NATO)の加盟国同士である米国とトルコの関係は、シリアのクルド人民兵組織、人民防衛部隊(YPG)への対応などをめぐりぎくしゃくしており、関係修復に向け両国間で共同作業グループを設置することで合意した。初会合を3月中旬までに開く。
トルコは1月20日、シリア北西部のクルド人の町アフリンで、YPG排除を目指し越境軍事作戦「オリーブの枝」に着手。トルコのエルドアン大統領はアフリン東方のYPG支配下の要衝マンビジュでも作戦を行うと宣言した。マンビジュには米軍部隊が駐留しており、不測の事態が懸念されている。
ティラーソン氏はチャブシオール氏との共同記者会見で、マンビジュ問題が今後の協議の「優先事項」になるとの見通しを示した。ただ、チャブシオール氏は「米国は約束を果たしてこなかった」と述べ、YPGの勢力拡大を容認したとして米国への不信感を表明。マンビジュからのYPG撤収も改めて要求した。
米国はシリアで展開する過激派組織「イスラム国」(IS)掃討戦で、YPGを主力とする民兵組織「シリア民主軍(SDF)」に対し、昨年5月に武器供与を開始。トルコはYPGを自国の反政府武装組織クルド労働者党(PKK)と密接な関係を持つ「テロ組織」として敵視しており、米軍のYPG支援に強く反発している。(c)時事通信社