兵庫県の但馬北部は海沿いを中心に、2月初旬から中旬にかけて大雪に見舞われ、JR山陰線の城崎温泉駅(豊岡市城崎町)より西側は連日、運転見合わせが続いた。兵庫県香美町、新温泉町では列車のカニツアーなどのキャンセルが相次ぎ、列車通学の中高生らにも影響が出た。(黒川裕生、小日向務)

 気象庁によると、香住(香美町香住区)では13日、積雪の深さが2月の観測史上最大となる101センチを記録した。

 JR西日本福知山支社によると、山陰線は4日夜から14日朝まで断続的に運休。この間、通常通り運行できたのは9〜11日だけで、それ以外は、京阪神からの列車は城崎温泉駅や香住駅(香美町香住区)でストップした。

 運休の影響は、カニシーズンの観光地を直撃した。香美町の香住観光協会や新温泉町の浜坂観光協会によると、食事ツアーや宿泊のキャンセルが続出。利用客をJR豊岡駅や鳥取駅まで送迎した宿泊施設もあったという。香住の民宿関係者は「片道30〜40分かかる豊岡駅まで、毎日ピストン運転していた」と疲れた様子で話した。

 通学手段を奪われた中高生も多かった。全校生徒の約3割が列車通学している香住高校(香美町香住区)は、7、8、13日を臨時休校に。浜坂高校(新温泉町)や豊岡高校(豊岡市)も、運休の場合は列車通学の生徒を公休扱いとした。香美町では、スクールバスを増便して対応した中学校もあった。

 運休が長引いたことについて、JR西日本福知山支社は「雪が降り続いたので、どれだけ除雪しても追いつかなかった。立ち往生の危険性もあり、なかなか再開できなかった」と理解を求める。レールを除雪するラッセル車もフル稼働したが、切り替えポイントが雪で動かなくなるのに備え、各駅に人員を配置する必要があり、作業がはかどらなかったという。

 ただ、城崎温泉駅より西側は昨年2月にも、雪のため約5日間運休している。香住や浜坂の観光関係者からは「観光客の多い城崎温泉ばかり優遇されている気がする」との恨み節も。城崎温泉観光協会は「雪による影響は少なかった」としている。



神戸新聞NEXT 2018/2/17 06:00
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201802/0010992710.shtml