■近大マグロで美容液!?驚きの新商品が続々登場 「皮」使った財布も

近畿大が世界で初めて完全養殖に成功したクロマグロ「近大マグロ」を活用した「食べるだけでない」産学連携ビジネスが盛んだ。
兵庫県姫路市の皮革メーカーは近大マグロの皮を使った革小物を販売。

大阪の菓子メーカーも近大マグロのエキスを使った美容液を市場に投入した。
各社とも近大と連携し、近大マグロの可能性を広げる新商品開発に注力している。

「魚釣りが好きなこともあり、魚の皮を使った今までにないものを作りたいと思った」。
平成29年4月に近大マグロの皮を使った名刺入れや財布などの革小物を発売した皮革メーカー、コードバン(姫路市)の新田芳希社長(46)はきっかけをこう説明する。

近大マグロに目をつけたのは、新田社長が近大の卒業生で「話題の近大マグロの皮を使った商品を出せば注目を集めるのでは」と考えたからだ。
商品化について近大に問い合わせたところ、「協力したい」との返答があったという。

近大マグロの皮は飲食店などで廃棄されていたものを再利用。
最も苦労したのが皮の独特の臭いを消すことで、「皮をなめす際に使う薬品を工夫するなど、試行錯誤の連続だった」と振り返る。
皮そのものの強度に加え、独特の質感や光沢を出すことにも成功し、開発に着手してから約1年で商品化した。

同社は近大マグロの皮を使った皮革製品を「ピサイン」というブランドで展開しており、財布(税抜き2万8千円)やキーケース(同2万6千円)、名刺入れ(同2万4千円)など5種類をそろえている。
注文を受けてから製作する完全受注品のため、納品までに約2カ月かかるという。
新田社長は「近大マグロの皮を使った新たな商品投入も考えている」と、ビジネス拡大を図る考えだ。

一方、菓子メーカーのUHA味覚糖(大阪市)は、近大マグロから抽出したコラーゲン配合のリップケア美容液「リップエッセンス」(税込み918円)を販売している。
コラーゲンの保湿成分が、唇に潤いとつやを与えるという。

近大は、近大マグロに代表される積極的なPR展開でブランド力強化に取り組んでいる。
なかでも産学連携は「大学の研究成果を消費者に届ける重要な取り組み」と位置付けており、今後も、さまざまな“近大商品”が生まれそうだ。

【近大マグロ】近畿大が平成14年、世界で初めて完全養殖に成功したクロマグロ。
 マグロ資源の減少を防ごうと、近大水産研究所が昭和45年から研究を進めていた。
 現在、和歌山県串本町と鹿児島県瀬戸内町(奄美大島)の2カ所で養殖している。
 民間企業と連携し、マグロを使ったカップラーメンやカレーパンといった新商品開発も進めるほか、
 大阪・キタの「グランフロント大阪」内に25年に養殖魚専門料理店を開店し、一般消費者への浸透を図っている

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