2月28日 4時46分
シリアの東グータ地区で激しい攻撃を続けてきたアサド政権は27日から毎日一定の時間、攻撃を停止するとしていましたが、空爆などを続けていて、攻撃を停止するかどうかは不透明な状況です。
シリアのアサド政権は後ろ盾であるロシアの提案に基づいて、27日から首都ダマスカス近郊にある反政府勢力の拠点、東グータ地区への攻撃を午前9時からの5時間、停止するとしていました。
しかし、内戦の情報を集めている「シリア人権監視団」によりますと、27日は、攻撃を停止するとしている時間帯も政権側の空爆などが続けられ、住民6人が死亡し26人がけがをしたということです。
一方で政権側は、地区の外に市民を退避させるために設けられた避難路を使って退避する住民が現れなかったため、反政府勢力が市民を「人間の盾」に利用して退避を阻んでいると非難しています。
これについて東グータ地区に住むジャーナリストの男性は、NHKの電話取材に対し、「これまで人々を殺し、医薬品の入手も妨害してきたロシアの監視下ではけが人を運び出せない」と述べて、退避が進まない背景には、政権とロシアに対する住民の不信感があると指摘しました。
アサド政権による攻撃停止の措置は28日以降も行われることになっていますが、実際に攻撃を停止するかどうかは不透明な状況で、住民の犠牲に歯止めがかかる見通しは立っていません。