https://www.cnn.co.jp/m/showbiz/35115549.html

2018.03.03 Sat posted at 17:21 JST
(CNN) フランスの有名シェフのティエリー・マルクスさんが料理人としての自ら歩みに触れ、成功の秘訣(ひけつ)はキッチンではなく柔道の畳の上にあったとの考えをこのほど明かした。

CNNとの会見で述べたもので、料理同様に「柔道は動作の取得、時間の克服にある」と強調。「最もストレスが高まる時に平静さを保つ能力を教える」とも説いた。

マルクス氏はパリ20区にあるメニルモンタン地区の労働者の街で育った。学業や素行も悪く、多くで失敗し、極貧地区にいたと述懐。「柔道は自由だった。私は日本の映画やスポーツを夢見るようになった」と振り返った。

柔道やそれに必要な心身の統制は夢の追求の動機となったと指摘。その後、軍入隊をへて世界を旅し、独創的な料理のスタイルを築いて評価を高めた。今はパリの「マンダリンオリエンタル・ホテル」内にあるミシュランの二つ星レストラン「ル・シュール・ムジュール」を持つ。人気を呼んだ料理本も複数著した。

柔道は黒帯の保持者となり、1週間に4回の練習も欠かさない。

マルクス氏は現在、柔道を通じて得た積極姿勢や教訓をパリの若年世代に広める試みを進めている。柔道コーチと共に始めた事業で、より多数の人々をスポーツに誘うことで雇用確保につなげることなどを狙っている。無職の人々を警備員らに育成する3カ月間のプログラムなどが含まれる。

コーチのブノワ・カンパルグさんは欧州選手権の元王者で五輪2連覇中のテディ・リネール選手のコーチも務める。マルクス氏と共に進める事業の参加者は柔道を通じて各自の異なる世界にも適用し得る規則、敬意や礼儀正しさなどの貴重な教えを習得出来ると話している。

https://www.cnn.co.jp/storage/2018/03/03/652d321ceddbc53284bdfec276a69d97/t/320/180/d/french-chef-thierry-marx-judo-story-top.jpg