オーストラリア南部の沖合で、絶滅が危惧されている1頭のミナミセミクジラが、イルカの群れと遊ぶようすがとらえられた。カメラ付きドローンを使った撮影に成功したのは、車椅子のカメラマン、ジェイメン・ハドソン(Jaimen Hudson) さんだ。

奇跡の瞬間がとらえられたのは昨年6月。南オーストラリア州アデレードから8キロほど離れたビーチでドローンカメラを操縦していたジェイメンさんが沖合の異変に気づいた。

クジラは興奮したり動揺したりすると、尾ひれを水面に強く打ち付ける「フルーク」という行動をとることがよくあるが、この場合はそうではなく、追いかけっこしたり、クジラを取り囲んでみたりと、ただ純粋に“先生と子供たちのように”遊んでいたように見えたという。

ミナミセミクジラは毎年、冷たい南極沿岸から過ごしやすい豪州近海を目指して2000キロ以上旅をすることで知られる。成長するとオスは体長15メートル、メスが17メートル、体重は90トンとかなり大型だが、生息数は1万頭を下回っていて、絶滅危惧種に登録されているという。

ジェイメンさんは両親がクルーズ船を運営していたので、小さいころから海の生き物に親しむ機会が多かったが、今回のような光景に遭遇したのは初めて。

2008年にオートバイ事故に遭ってから、車椅子の生活になったが、かつて大好きだったダイビングやサーフィンへの情熱を諦めまいと、2015年からはドローンを使って上空から大海原を滑空する自由を獲得した。そんなジェイメンさんにとってクジラとイルカの保育園はこれまでの人生で出会った最高の宝物になったという。

ジェイメンさんが撮影した素敵な海の写真をご覧になりたい方はぜひ彼のホームページへ。写真を購入したお金は、車椅子の改造費用に使われる予定だ。

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【動画】Whale Vs. Dolphin Pack
https://www.youtube.com/watch?v=TCVpPsanHUo

2018年03月03日 06時00分
ハザードラボ
http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/2/3/23963.html