ストレッチの効いたパンツを好むアメリカの消費者は、デニムを見捨て始めた。
Quartzが報じた国勢調査のデータによると、アメリカでは2017年のストレッチの効いたパンツの輸入量は、ブルーデニムジーンズの輸入量を上回った。
その背景には、アスレジャーの流行がある。


からだを締め付けるパンツはもう十分だ。
2017年、アメリカでは史上初めて、ストレッチの効いたパンツの輸入量がブルーデニムジーンズの輸入量を上回った。国勢調査のデータをもとに、Quartzが報じた。

ブルージーンズの輸入は2010年にピークに達した後、減少し続けている。その一方で、アメリカでは普段着としてのアスレジャー(スウェット素材やストレッチ性のある素材を使った、着心地の良さを重視したアスリート向けの衣服を、運動目的以外でも着用する)が流行した。

アスレジャー市場は、2011年から2016年で衣服・フットウェア業界全体の30%を占めるまでに成長。ウェルズ・ファーゴによると、一般的なアパレル部門の成長が年に1%にとどまるのに対し、アスレジャーは7%伸びているという。

以来、ルルレモンやアンダーアーマー、ナイキといったアスレティック・ブランドが流行をけん引する一方で、売り上げの増加を期待したギャップ(Gap)やJクルー(J.Crew)、フォーエバー21といった店舗も、このブームに乗ろうとした。

現在、一部のアナリストたちは、アスレジャーの人気はすでにピークを越え、市場には選択肢があふれ過ぎていると指摘する。NPGグループによると、2017年のアメリカのアクティブ・ウェアの売り上げは全体で480億ドル(約5兆円)と、2016年から2%増えているが、これまでに比べるとその伸びは緩やかになっている。

それでも需要は依然として高く、着心地の良い服を求める消費者は多い。

「今日のアパレル市場においては、消費者が着心地の良さを重視するアイテムや日々の必需品、ニッチな製品 —— つまり、動きやすいパンツやアンダーシャツ、スイムウェアといったカテゴリーは、着実かつ長期的な成長が見込める数少ない分野だ」NPDグループのインダストリー・アドバイザーの責任者マーシャル・コーエン(Marshal Cohen)氏は2月、調査メモに書いている。

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BUSINESS INSIDER JAPAN Mar. 08, 2018, 05:45 AM
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