東日本大震災は11日、発生から7年を迎え、全国各地で追悼行事が行われる。今年も発生時刻の午後2時46分に合わせ、鎮魂の祈りが犠牲者にささげられる。

 9日現在の警察庁のまとめでは、岩手、宮城、福島の3県を中心に、死者は1万5895人、行方不明者は2539人。津波や東京電力福島第1原発事故により避難生活を送る人は、ピーク時の約47万人から減ったものの、全国でなお約7万3千人に上る。

 被災地では復興に向け、宅地整備が進む。だが、津波対策として行われている土地の大規模なかさ上げ工事などに時間がかかり、避難先の内陸部で生活基盤を固める被災者も多い。市街地の空洞化が懸念される。

 福島県では、福島第1原発事故による避難指示の解除が進んだが、放射線量が高い帰還困難区域は残る。区域の一部に人が再び住めるようにする「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)の整備が昨年12月に双葉町で開始。大熊町では週明けに除染が始まる見込みだが、復興拠点から外れた住民は帰郷の見通しすら立たない状況となっている。

 一方、岩手、宮城、福島3県では、家を失った被災者のために応急的に建てられたプレハブ仮設住宅に今も約7千世帯が暮らす。移転先の一つとなる災害公営住宅は約3万戸の計画戸数のうち、9割以上が完成。平成30年度中にはほぼ全てが整備される見通しだ。

 ただ、見知らぬ土地での再出発に戸惑う被災者は多い。災害公営住宅に1人で暮らし、死亡しているのが見つかった孤独死は昨年1年間で少なくとも54人おり、コミュニティーの形成など暮らしの再建に向けた課題は残る。

 3県によると、避難生活での体調悪化などによる震災関連死は約3600人となり、現在も増え続けている。

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2018.3.11 00:04
産経ニュース
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