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ハム・ソーセージ業界でウインナソーセージをはじめとした価格競争が激化している。日本ハムや伊藤ハム米久ホールディングスなど業界大手の値引き攻勢に対し、下位メーカーからは「いいかげんにしてほしい」との悲鳴が上がる。業界アナリストからは「原材料費や労務費などのコストが増大しており、業界として価格競争を続ける余裕はない」との指摘もなされる状況だ。

■価格下落が激しいソーセージ
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まず、食料品の中でソーセージの価格がどれだけ下がっているかを、政府が発表している消費者物価指数で確認してみよう。過去2年ほど、食料品全体の物価は年率約3%と大幅に上昇している。天候不順で不作の生鮮野菜や不漁続きの魚介類の価格高騰をはじめ、飼料用米への転作増大で主食用の供給が減ったコメの値上がりが影響している。

一方、ソーセージの価格は過去2年間、右肩下がりで推移している。全国平均で年率2%程度の値下がりだが、東京都区部では3〜4%と下落率が大きい。大消費地でより苛烈な価格競争の展開されている様子が想像できる。こうした傾向はハム、ベーコンなどを含めた加工肉全体でも同じだ。消費者物価指数で調査対象となっている食料の品目の中で、これほど価格が下落しているものは少ない(調理ピザパイの下落も目立つが、これも主要メーカーは食肉加工業界)。

■ウインナのブランドは各社の”代名詞”

スーパーの売り場で特に目立つのが、ウインナソーセージの廉売合戦だ。ウインナはソーセージ(ひき肉の腸詰めの総称)の中でも、羊腸または20mm未満の太さのケーシング(詰め袋)に詰めたものをいうが、業界各社の最重点商品であり、そのブランドが各社の代名詞にもなっている。

代表的ブランドとしては、日本ハムの「シャウエッセン」(1袋127g×2)、伊藤ハムの「The GRAND アルトバイエルン」(127g×2)、プリマハムの「香薫あらびきポーク」(90g×2)、丸大食品の「燻製屋熟成あらびきポークウインナー」(85g×2)、フードリエの「パリッと朝食ウインナー」(230g)などがある。テープで2袋が束にされ、売り場の陳列棚に山積みになっている場合が多い。

全国のスーパーマーケットにおける各社主力ブランドの平均販売単価の推移(調査会社True Dataの集計)を見ると、高価格帯にある2商品、特に「アルトバイエルン」の値下がりが目立つ。2年前には2袋400円程度だったのが、最近は360円を割ってきている。高価格帯の商品は「香薫」など中価格帯の商品よりも内容量が多いため、グラム単価が店や日によって逆転する現象も起きている

■大手がウインナーで「安値攻勢」
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一方、2袋200円台後半の中価格帯商品のうち、「香薫」や「燻製屋」の価格は比較的安定しているが、2017年2月に日本ハムが発売した「豊潤あらびきウインナー」(90g×2)は値下がりが顕著だ。

商品の価格は基本的にスーパーなどの小売り側が決める。ただ、メーカー側は一定期間の仕入れ実績に比例したリベート(販売奨励金)や、仕入れ条件を満たした際の達成リベート、あるいは特売の協賛金などを小売り側に支払うことで値引き原資を提供している。つまり、店頭価格にはリベートなどを通じてメーカー側の価格戦略が間接的に反映されることが多い。

■プリマハム「香薫」の躍進
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日本ハム、伊藤ハムの安値攻勢は、とりわけ近年シェアを急拡大したプリマハムの「香薫」を意識したものだ。

各ブランドの1店当たり売上金額の推移を見ると「シャウエッセン」の1位は揺るがないが、「アルトバイエルン」と「香薫」が2位争いで抜きつ抜かれつの大接戦を演じているのがわかる。売上点数ベースでは完全に「香薫」が2位の座を確立している。伊藤ハムは値下げを駆使して何とかシェア挽回を図っている格好だ。

※以下省略 見出しのみ 全文はソース先をお読み下さい

■「香薫」ブランドに一点集中

■体力勝負で苦戦が続く丸大食品

2018年03月11日
東洋経済オンライン
http://toyokeizai.net/articles/-/211982